マグロが日本人に愛される理由とは?―中国メディア

人民網日本語版    2019年2月23日(土) 18時10分

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マグロは長きにわたり、日本人に愛され続けてきた魚だ。この日本人の「美食」は、高級料理屋でも家庭の食卓でも欠かせない存在。そして、旬を迎えたマグロは鮮やかな赤色の身に、ぷりぷりとした歯ごたえで、冬の時期に人気の海の幸の一つと言える。

マグロは長きにわたり、日本人に愛され続けてきた魚だ。この日本人の「美食」は、高級料理屋でも家庭の食卓でも欠かせない存在。そして、旬を迎えたマグロは鮮やかな赤色の身に、ぷりぷりとした歯ごたえで、冬の時期に人気の海の幸の一つと言える。

新鮮で柔らかく、脂がのっていて、栄養豊富といった特徴から、マグロは常に、代表的な刺身の材料と見なされ、マグロの日本での年間消費量は、世界全体のほぼ5分の1を占めている。

■漁から競りまで「新鮮」を保つ秘訣は?

本州の中部、太平洋沿岸に位置する静岡県は、豊富な海洋資源から、マグロの漁獲量は年間3万トンに達し、全国の約2割を占めている。マグロは遠洋の塩分濃度の高い海域で育つため、現地の漁民は、通常、遠洋船に乗って太平洋の深海地域に向かいマグロ漁を行い、専用運搬船で漁獲したマグロを港まで運ぶ。

マグロの肉質を新鮮に保つために、漁民は通常、漁獲後ただちにエラを除去するなどの加工処理を行い、マイナス60度の超低温冷凍庫で保管する。急速冷凍のスピードが速ければ速いほど、魚肉細胞の破壊を最小限に食い止めることができる。このため、市場に出回るマグロの多くは、冷凍したものだ。

日本の食卓に上るマグロの50%以上は、静岡県東部沿岸の清水港で水揚げされたものだ。冬季はマグロ漁の最盛期で、毎日、明け方ここで水揚げされたマグロが、近くの魚市場で取引される。

清水港の漁市場では、毎日早朝、マグロ40~50尾が重さ順に並べられ、競りにかけられる。経験豊かな業界人にかかれば尾の筋模様と色だけを頼りに、魚全体の品質の優劣を判断することができるという。買い手のほとんどは、現地の水産物販売業者で、10分もたたないうちに、その日に競りに出されたマグロがすべて競り落とされてしまう。

日本では、長期間にわたってマグロの稚魚の乱獲が行われてきたため、沿岸の漁獲量がこの10年間減少し続け、価格も上昇し続けている。事実、現在の卸値は、5年前より25%上昇している。今年初め、悪天候が漁獲にマイナス影響を及ぼし、市場では需要に供給が追い付かない状況に陥った。日本の大型水産企業の多くが、野生のマグロに対する依存を段階的に減らすことを計画し、マグロの人工養殖を検討し始めている。

■刺身が日本人の最も好きなマグロの食べ方

日本におけるマグロの食べ方には、どのようなものがあるのだろうか?またその料理法にはどのような工夫が凝らされているのだろうか?

静岡県清水港市場にある料理屋では、刺身をはじめとするマグロの料理を専門に取り扱っている。マグロの新鮮さを保障するため、この店では、仕入れたマグロをすぐに冷凍ボックスに入れて冷凍保存し、提供する際には、海水と同じ塩分濃度の水の中に移して自然解凍する。

低温で冷蔵するほか、その切り方も刺身にしたときの口当たりに大きく影響する。またマグロの部位によって切り方も異なる。通常、調理師は、包丁を入れる前に、マグロの身と骨の構成をしっかり確認するほか、脂肪が分布している位置と方向もつぶさに観察する。

ある日本人の調理師は、「切る時には魚肉にある筋を断ち切る必要がある。その際には、包丁と筋との角度を90度に保ち、垂直に切れば、口当たりはさらに良くなる」と話す。

マグロは比較的大きな魚なので、部位によって口当たりと肉質もそれぞれ異なる。脂肪の含有量により、マグロの刺身は、大トロ・中トロ・赤身の三種類に分けられる。大トロは、マグロの腹の脂肪含有量が50%にも上り、口に入れた瞬間とろけるような食感で、刺身としては最高級の部類に入る。赤身は、マグロの背の部分の赤身肉で、肉質は固く強靭。中トロは、大トロと赤身の中間で、通常、これら三種類の刺身盛り合わせの価格は2000円ほどとなっている。

身が鮮やかな赤色をしているマグロは、日本人にとって、「めでたさのシンボル」と見なされている。年の初めには、日本各地の魚市場で「マグロの初競り」が行われ、新たな1年の豊漁を願う。

さらにマグロの素晴らしさは美味であることだけではない。アミノ酸と不飽和脂肪酸が大量に含まれ、栄養価が非常に高い。ここ数年、加工・抽出されたマグロの油などの健康食品も中・高年者層から注目を集めており、市場規模は拡大し続けている。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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