住宅購入を急ぐ中国の若者、その理由は?―中国メディア

Record China    2013年1月20日(日) 22時0分

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18日、出版プロデューサーの路金波氏が投稿したミニブログがネットユーザーの間で熱い議論を巻き起こしている。資料写真。

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2013年1月18日、中国青年報によると、出版プロデューサーの路金波(ルー・ジンボー)氏が15日に投稿したミニブログがネットユーザーの間で熱い議論を巻き起こした。路氏は条件の整った中国の青年に対して、「世界を理解したければ、30歳になるまでに台北・東京・ニューヨーク・ラサの4都市を訪問すると良い」と提案し、「35歳前に家を買うような若者は将来性がない」と述べた。多くのネットユーザーは路氏の語る将来性の基準とは何かと疑問を投げかけており、自らを他人の人生の指導者とするべきではないと非難した。

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将来性とは何か。出世することか、人よりも豊かになることか。若手作家の韓寒(ハン・ハン)氏のようないわゆる「オピニオンリーダー」か、それとも路氏のような自称・人生の指導者か。人によって、将来性に対する理解は変わってくる。社会が多元化した今の時代、将来性を成功の唯一の基準とするべきではない。路氏のように自ら得意になり、成功者を自認する「将来有望な」人は、きっとまだ家を買っていないのだろう。

当然ながら路氏の発言は、若者に家の購入を焦らず、若いうちに外に出て世界を見るよう提案したものだろう。これは確かにその通りだ。古人もまた、本から得た知識の他に、自らの足で見聞を広めるべきだと言っている。住宅価格の高騰という現実において、ローンを組み住宅を購入した場合、深刻な圧力を受けることになる。学者の秋風(チウフォン)氏は、「高額な不動産価格は若者の愛と創造力を破壊した。彼らは本来ならば詩を詠み、友と旅行し、読書会を開くことができた。しかし現在の若者は大学を卒業した途端に中年になり、生活のために細々と計算するようになる」と語った。家の購入は自由を失うことを意味し、消費や旅行を慎み、夢を抱けなくなる。

ある入社した大卒者と話をしたところ、今一番の望みは「家の購入」だと語った。筆者はこの若者に対して、次のように説得した。あなたは20代前半でなぜ家の購入を急ぐのか、卒業したばかりで貯蓄もないのに、親のすねかじりになってしまう。学費を払ってもらっただけでも大変なことなのに。家を購入したら、月数千元のローンを負担することになり、疲れてしまうだろう。若いうちに勉強し、外に出たほうがいい。こう説得すると、若い同僚は沈黙し、何度も頷いた。彼が私の説得を受け入れたかは分からない。私はその後、お節介なことをしたと少し後悔した。それに、私に家を買うなと言われてその通りにし、後で住宅価格が高騰したらどうするというのか。

ある調査によると、中国の若者は平均27歳で住宅を購入しているが、先進国と比較すると約1世代分の時間を繰り上げたことになる。日本とドイツは42歳、台湾は36歳、米国は30歳以上だ。中国の若者はなぜ住宅購入に熱心なのだろうか。これは、恒産を持つ人はいつまでも変わらない意志を持つという伝統的な観念、それから複雑な現実と関連している。住宅価格の高騰を受け、今買わなければ一生買えなくなると焦る。家がなければ結婚できず、女性側の母親から許してもらえない。家を購入しなければ賃貸しかないが、家賃も安くなく、しかも家賃まで高騰している。若者が低所得者向けの住宅の賃貸を申請するのも容易なことではない。一部の都市では住宅と戸籍が結びつけられており、家を購入しない場合は不便だ。これらの事情から、どんなに狭い家でも、それがあれば帰属感が生まれる。これは若者が思い切って住宅を購入する原因でもある。

「なぜ私たちの人生と夢を家に縛り付けなければならないのか。私たちのすべての努力、すべての希望はただの家だけ。こんな人生は悲し過ぎないだろうか」これはテレビドラマ「蝸居」の台詞で、多くの共感を呼んだ。仮に定住者のすべてに住まいが与えられ、成熟した賃貸体制が構築されており、家と人の尊厳に高い関連性がなければ、これほど多くの若者が住宅購入を急ぐはずがない。ゆえに、路氏の「35歳前に家を買った若者は将来性がない」という発言は半分だけ正しいと言える。実際、多くの人は35歳以降になっても家が買えない。それに35歳まで家を買わなければ、有望な人になれるというのか。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/TF)

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