渡部宏美さん「協力隊の活動を終えて」

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長年にわたり、中国ではごく普通の、愛らしい日本の若者たちが常に活躍してきた。彼らは自身の知識と熱意を中国の地に捧げてきた。

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長年にわたり、中国ではごく普通の、愛らしい日本の若者たちが常に活躍してきた。彼らは自身の知識と熱意を中国の地に捧げてきた。彼らの中には社会人になったばかりの若者もおり、中国語もほとんど話せないものの、努力と楽観的な姿勢で、異国の地で人としての価値を実現させようとしている。日本国際協力機構(JICA)が中国に派遣するボランティアたち、それがこうした若者たちだ。ボランティアたちは通常、1~2年間中国に滞在し、そのほとんどが条件的にも厳しい遠隔地や貧困地域へと派遣され、そこで教育や医療といった業務に従事し、現地の人々と一緒に生活する。人民網日本語版では「中国の日本人ボランティア」コンテンツにおいて、こうした日本人ボランティアたちが中国で経験したエピソードや思いを紹介する。

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今回紹介するのは陝西省の西安外国語学校で1年半にわたり青年海外協力隊が派遣する日本語教師として働いた渡部宏美さん。中日両国で教師として働いた経験を持つ彼女は、日本の小学校教師として視野が狭いと感じ、青年海外協力隊に応募して中国にやって来た。中国で非常に多くのことを経験することができたという渡部さんは、自分の視野を広げたいという願いをこの中国での活動を通じて叶えた。

「ボランティアというのは、誰かに何かをやってあげるということでは決してなく、自分が何かを得るために行うものなんですよ。」

協力隊に応募する前に参加した、協力隊の説明会で、活動を紹介した先輩隊員が言っていた言葉を活動終了前の今、改めて思い出すと、本当にそうだったなぁと実感する。活動を振り返ってみても、新しく学んだことが本当に多い1年半だった。

私が協力隊の活動に参加したのは、「自分の視野を広げたい」と思ったことがきっかけだった。日本の学校で小学校教員をしている私は、「教員は、視野がせまい、常識が分かっていない。」と日本の教員がよく言われるこの言葉が気になっていた。教員になる人は、小さい頃は学校で勉強し、大人になっても学校で働くため、周りの人間関係もせまく、世界が小さいと言われることが多い。そこで、今の環境とは違う海外で働くことで自分の視野を広め、将来の教育にも活かせたらと考えた。応募する前年度たまたま外国人国籍の日本語が話せない子を受け持ち、、日本語教育にも興味をもっていたこともあり、日本語教師の職種で応募することにした。幸いにも、協力隊の試験に通り、中国で日本語教師として働けることになった。大学時代中国で1年間ほど生活して経験があったので、中国での活動が決まった時は、何かの縁を感じた。

大学時代に中国で生活していた際は、周りが留学生だけで中国人と交流する機会はほとんどなかった。その時は、中国という国や文化をあまり知らずに帰ってしまい、今思うともったいなかったという感じがする。そのため、今回の活動では、中国の友達をなるべく多くつくろうと思った。西安では、学校の先生方はもちろん、学校の外でも温かく私を迎えてくれる方が本当に多く、たくさんの中国人の友達と交流することができた。文化や生活習慣について色々と学ぶことができた。日本と違い、すぐに仲良くなってくれる人が多いのが中国の特徴で、人と人とのつながりを大事にしてきた国の特徴を感じた。

休暇を利用して敦煌を訪れた時。西安から続くシルクロードの距離の長さや中国の広大さを感じた瞬間。

西安外国語学校では、主に会話の授業を担当した。目をキラキラさせながら、集中して授業を受ける生徒たちの様子や日本語能力の高さに驚かされた。熱心な生徒たちと一緒に日本語を学ぶのは、本当に楽しかった。また学校以外にも他の省に出張して活動させていただける機会が何度かあった。中国は、大陸が広いので、ちょっと隣に移動するのでも、食べ物の味や風習が違っていて面白いなと感じた。私は今まで北の人と接することが多かったので、中国人はみんな辛い料理に強いのだと思っていたが、南の方の人は辛いのが苦手で薄味を好む地域もあると知った。

本当に学びの多い、1年半だった。帰国後はまた小学校の職場に戻るので、自分の目で見た中国の良さを子どもたちに伝えていこうと思う。中国に今いて思うことは、スマホやネットが進化し、国と国との距離が近くなったということだ。世界で活躍を夢見る中国の子どもたちのように、日本でも世界で働きたい、活躍したいと思う子がもっと増えればいいなと思う。そのために、私がこれからの国際理解教育を担う一員になれればとも思う。

陝西省西安外国語学校 日本語教育 渡部宏美

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