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新東方学校の忘年会イベントで社員たちが披露した替え歌「言いたいことを言おう」の歌詞。その歌詞の内容がたちまち話題となり、SNSは瞬く間にその歌詞で埋め尽くされ、人気検索ワード上位にもランクインしている。
「考課をクリアしたいだけで、真面目に仕事なんてしたくない。問題が起きたら責任のなすりつけ合いをするだけ」、「自主性があるとか、責任をもって信頼できる仕事をするとか言っているが、やっているのは社長のSNSにおべんちゃらを書き込むことだけ」、「死ぬほど頑張って成果を出したからってなんて事はない。どうせ結局はプレゼン資料を作る奴には敵わない」、これらは学習塾大手・新東方学校の忘年会イベントで社員たちが披露した替え歌「言いたいことを言おう」の歌詞。その歌詞の内容がたちまち話題となり、SNSは瞬く間にその歌詞で埋め尽くされ、人気検索ワード上位にもランクインしている。そしてネットユーザーからは、「リアルすぎる」との声が寄せられている。北京日報が伝えた。
曲はネットで昨年から人気を博している「砂漠駱駝」で、心地よいメロディーとは言い難いものの、多くの人の気持ちを代弁した歌詞がうけて、今年の「神曲」となっている。たくさん寄せられたツッコミのコメントからもわかるように、人々がプレゼン資料作りに苦しめられている状況が続いて久しく、多くの企業で「口が達者な方がある意味得」という現象が目立っていることがうかがえる。チームの成果を自分の成果のようにアピールする人もいれば、最悪な数字を粉飾して、大げさに語る人もいる。さらにはちょっとした成果をみんなに知ってもらおうと、大げさにアピールする人もいる。このように八方美人で口が達者な人ほど社長に好かれて良い評価を得られ、仕事に打ち込んでいても、口ベタな真面目な人は自ら悟るしかない。
アピールやコミュニケーションに長けていることはもちろん大切だが、「仕事をするよりプレゼン資料を作った方が得」という風潮では、進んで真面目に仕事をする人はいなくなってしまうだろう。小さな点から指摘するならば、企業の中で口が達者なだけの人ばかり重用されるなら、コツコツと仕事をするという企業文化は崩壊してしまう。また大局から指摘するならば、起業が相次ぐ現状において、見た目ばかり美しいプレゼン資料でベンチャー企業への投資を募り、何も知らない人々から金を巻き上げるというようなことが積み重なって生まれたバブルはどれほど巨大なものになるかわからない。雨後の筍のように次々と出てきた「プレゼン上だけの車づくり」に、一時隆盛を極めた仮想通貨など、見せかけだけの「アイデア」は持続し続けることができないことは目に見えており、その弊害は極めて大きい。まさに今回の替え歌の「あなたはうまいことキャリアだけ積んで去っていき、後にはめちゃくちゃな現状だけが残された」という歌詞そのものと言えよう。
こうした乱れた風潮を正すには、考課の正しい方向性と管理者がどのような役割を果たすかがカギとなる。考課方法はもちろん科学的で網羅的でなければならない。そして、指標だけでははっきりと判断することができない内容については、管理者が社員を見極める必要がある。社員の言葉にしっかりと耳を傾け、その勤務状態を普段からしっかりと観察し、社員一人ひとりを客観的、かつ公平に評価しなければならない。同時に風通りをよくし、包容的な態度で、社員が発言しやすい環境づくりを行い、現場のリアルな声が上まで伝わるようにしなければならない。今回この替え歌が披露された新東方学校では、上司がこの歌詞の内容にお冠になるどころか、むしろ賞賛して褒賞を与えたということから、この学校では問題を直視するという良い雰囲気ができていることを示しているだろう。
「人の振り見て我が振り直せ」という言葉があるように、社員たちが「言いたいことを言う」ことで、より多くの企業の管理者が、「実際に仕事をしている人がきちんと評価されるべき」というこの重要な問題を意識し、目立たなくてもコツコツと仕事をしている人が重視され、尊重されるようになってほしいものだ。(編集KN)