「グアム・キラー」の中距離弾道弾、東風26は「空母も攻撃できる」と中国メディア、「飛行中に針路修正」

Record China    2019年2月1日(金) 23時40分

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中国の中距離弾道弾「東風26」について、中国メディアは「空母も攻撃できる」と報じた。米軍基地があるグアム島を射程に収めていることから、「グアム・キラー」と呼ばれてきたが、「飛行中に針路を修正」とも強調している。写真はDF26(東風26)の発射の様子。

2019年2月1日、中国の中距離弾道ミサイル「東風(DF)26」について、共産党機関紙・人民日報系の環球時報は「移動している空母も攻撃できる」と報じた。DF26は中国本土から米軍の一大拠点のグアム島を攻撃できることから、「グアム・キラー」と呼ばれてきた。記事は「飛行中に針路を修正可能」とも強調している。

DF26は2015年9月に北京の天安門広場で行われた抗日戦争勝利70周年記念の軍事パレードで初めて登場した。核と通常弾頭のいずれかを搭載可能で、射程約4000キロとされる。中国国防部は昨年4月、戦略ミサイル部隊「ロケット軍」に実戦配備したと発表。その際も「大気圏への再突入後に自ら目標を探知し、空母など動くターゲットへの精密攻撃もできる」と誇示していたが、西側では疑問視されていた。

環球時報(英語版)はDF26について、国営中央テレビ(CCTV)が1月24日、中国北西部の某所から発射される訓練の様子の映像を公開した、と報道。ミサイルの先端部は円錐形の二重構造で、表面には羽のような4枚の飛行制御板が付いている、と説明した。DF26の発射場面や詳細な外見が明らかになったのは初めてという。

軍事専門家は4枚の飛行制御板がミサイルを正確にコントロールすると解説。最終段階で弾頭を空母のような低速で動く目標にも確実に誘導するとしている。さらに「二重構造は着弾能力や速度の向上、レーダーに映りにくいステルス性などの効果をもたらし、迎撃は困難」とも述べた。

環球時報によると、別の匿名の軍事専門家は「弾頭部が人工衛星を含む情報ネットワークと結ばれているほか、地上、海上のレーダー網やミサイル自身のレーダーなどと連携して移動する目標の位置情報を更新し、どこに向かうべきか教える」とも指摘した。一連の報道は中国国内向けにDF26を印象付けながら、台湾海峡に軍艦を航行させるなど中国に圧力を強める米国トランプ政権をけん制する狙いがあるとみられる。

DF26に関する環球時報やCCTVの報道について、米CNNは軍事評論家の見方を紹介。「ミサイルが海上の動く標的に命中する場面は映っていない」「見えるのは標準的な弾道ミサイル発射の様子のみで、標的が動いているのか静止しているのかは分からない」などと伝えた。

その上で「中国はまだ、海上の動く標的にミサイルを命中させるために必要な実践的な手順や戦術については示していない」などと言及。中国が主張するDF26の「空母攻撃能力」に引き続き疑義を呈している。(編集/日向)

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