「膝まずきたくはなかったが、膝は砕かれた」中国の報道検閲問題は幕引きなるか?―英メディア

Record China    2013年1月10日(木) 20時17分

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10日、中国の有力地方紙「南方週末」の記事が共産党当局の検閲によって大幅に書き換えられた問題は、表面上は事態の収束に向かっているが、問題は新政権にとっての試練になりそうだ。写真は2013年1月、中国新聞出版総署が報道機関関係者に発行する「記者証」。

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2013年1月10日、中国・広東省の有力地方紙「南方週末」の記事が共産党当局の検閲によって大幅に書き換えられた問題は、表面上は事態の収束に向かっているが、問題は新政権にとっての試練になりそうだ。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)中国語版が伝えた。

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3日付で発行された南方週末の新年号の記事が、メディアを管轄する同省共産党委員会宣伝部の指示で、内容を大幅に変更させられた。この事実が同紙の編集部員によって拡散されると、事態は全国の報道関係者や一般国民を巻き込むものに。ついに収束に動いたのは、広東省トップの胡春華(フー・チュンホア)共産党委書記だ。抗議のストライキに踏み切っていた同紙編集記者らに対し「処分はしない」との約束を取り付け、今後は党宣伝当局による検閲を緩和すると示唆することで事態の収拾を図った。

しかし、事態はすでに他紙にまで波及している。共産党中央宣伝部は国内各紙に対し、南方週末を批判する共産党系紙の社説を転載するよう命じていた。これを拒否した北京地方紙「新京報」の社長が抗議の辞任を表明している。共産党宣伝部の関係者と同紙編集長が応酬する現場に居合わせたある匿名の人物によると、当局の職員は「命令に従わなければ新聞そのものをつぶす」と脅してきたという。結果、問題の社説は掲載されることになった。しかし、その内容は大半が削除され、最終ページに配置されるという物別れに。削除された中には、「報道関係者は公に政府を挑発すべきではない」との文言が含まれていたという。

「我々は膝まずきたくはなかった。しかし、膝は砕かれた」。新京報の編集者と名乗る人物は、インターネット上に苦汁の声を放った。現在、この騒動に関連するネット上の掲載情報は、関連当局によって見る間に削除措置がとられている。

その一方で、南方週末が本拠を置く広東省広州市では、市民による街頭の抗議活動が警察当局の干渉を受けることなく、ほぼ野放し状態となっている。政府はこうした問題について、如何に手綱を引くのか?これは、今年3月に中国国家主席の座に就く新指導者の習近平(シー・ジンピン)総書記にとっては大きな試練となるだろう。(翻訳・編集/愛玉)

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