大気汚染に悩む韓国、人工降雨の実現は「まだ先」?=韓国ネットからは懸念の声も

Record China    2019年1月28日(月) 10時40分

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25日、韓国・ニュース1は「中国は1500発、韓国は24発…人工降雨の実現は『まだ遠い』」と題する記事を報じた。写真はソウル。

2019年1月25日、韓国・ニュース1は「中国は1500発、韓国は24発…人工降雨の実現は『まだ遠い』」と題する記事を報じた。

記事によると、中国大陸と朝鮮半島の間にある黄海(韓国名:西海)で同日、「人工降雨」によりPM2.5など大気汚染物質を減らすことができるかどうかの実験が行われたが、失敗に終わった。韓国気象庁と環境部は気象航空機で人工降雨物質のヨウ化銀燃焼弾24発を散布して雲の変化を観察した。政府ではこうした実験を今年15回実施する予定という。記事は「三寒四温ではなく三寒四微(微細ほこり=大気汚染物質)に苦しむ市民らは、今年行われる実験に注目している」と伝えている。

「人工降雨先導国」とされる中国は1958年から関連研究を始め、60年以上ノウハウを蓄積してきたという。日照りが激しかった2007年には遼寧省でロケット1500発を発射して2億8300万トンもの雨を降らせた記録を持つ。08年の北京五輪当時も、晴天となるよう1000発余りのロケットを発射して競技場周辺の雲から雨を降らせた事例も有名だ。

一方韓国では、人工降雨の実験が始まった08年から17年までの10年間、賃貸航空機で計42回にわたって小規模の人実験を行うも、このうち効果があったのは16回のみ。昨年からは本格的に気象航空機を導入して人工降雨実験を行った結果、12回の実験中9回の効果があったと暫定分析されている。そのため、韓国の人工降雨技術は世界と比べると「初歩的なレベル」で、技術力は「先進国の約74%」と評価されているという。

そのため記事は、今回の実験について「基礎研究レベルにおいてさまざまな可能性を打診する試み程度と捉えるのが正しい」と伝えている。国立環境科学院のチャン・ユンソク院長は「大気汚染解決のために多角的な努力を傾ける中、今回の実験もその一環として見てほしい。すぐに効果が出なくても、技術力とノウハウが蓄積されればいつかは実を結ぶことができると期待している」とし、気象庁のキム・ジョンソク庁長も「人工降雨の大気汚染物質低減効果が科学的に立証されれば、現在は基礎研究段階にある人工降雨技術を実用化できるよう追加の研究を進める」と話しているという。

これを受け、韓国のネット上では「他国と比較するのはどうなの?。そもそも中国とじゃ国土環境が違う」「中国は練習ではなく、五輪に適用しようと発射したもの。実際とテストが同じだと思う?」などの指摘や、「われわれは批判するのに慣れてしまっている。科学は1日2日でできるものじゃない。うまく行くよう努力しよう」「試行錯誤を繰り返して発展していくんだ」など「焦りは禁物」とするコメントが寄せられている。

また「そのお金で、中国の内陸部と韓国に植樹して自然を保護すべき。その方が効果があると思う」「人工風で中国方向に風が吹くようにしてほしい」などの提案も登場、一部ユーザーからは「人為的な気候操作は人類に災害をもたらす」と警鐘を鳴らす声も上がっている。(翻訳・編集/松村)

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