小さなことから連携を強化すべき中国と日本―中国メディア

人民網日本語版    2019年1月23日(水) 5時20分

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中国人の日本に対する好感度の改善が顕著なのに対して、日本人の中国に対する好感度にはほとんど変化がない。このような問題は近年ずっと続いており、その原因についてよく考えてみる必要があると言えるだろう。写真は南京。

2018年、日本を訪問した中国人観光客は延べ800万人を超えた。しかし、中国を訪問する日本人観光客の増加ペースは、日本を訪問する中国人観光客の増加ペースには遠く及ばず、日中観光交流はアンバランスな状態となっている。このような現状をみてもわかるように、ある民間調査によると、中国人の日本に対する好感度の改善が顕著なのに対して、日本人の中国に対する好感度にはほとんど変化がない。このような問題は近年ずっと続いており、その原因についてよく考えてみる必要があると言えるだろう。

日本人の中国に対する好感度はなぜほとんど変化しないのかという点について、さまざまな意見をまとめてみると、「日本は反応が鈍い」、「日米同盟が関係している」、「価値観の違い」などの説がある。「日本は反応が鈍い」というのは、両国の関係には長年積み重ねられてきた歴史があり、日本人の見方が変化するにも時間がかかるという見方だ。「日米同盟が関係している」というのは、日米同盟に基づいて、日本の外交の枠組みが決まるため、日本が米国からのしがらみから脱して、中国と親しくなることはできないという見方だ。「価値観の違い」というのは、日中両国の核心的価値観に違いがあり、大きな溝があるため、互いに歩み寄るのは難しいという見方だ。

それぞれの説に納得できる部分があるものの、客観的な制度や心理的な構えの固定化などが強調されているのに対して、政治や外交当局、双方の国民の主体活動のポテンシャルに対する評価が不足しているというのが共通点となっている。現在、世界の政治は大きな変化に直面しており、日中両国共に不確定な時代に突入している。そのため、各種制度の枠組みや心理的な構えを見直す必要が出てきている。共に経済大国で、アジアの隣国である中国と日本は今こそ、一層緊密に連携する時ではないだろうか。

では、今の時代と両国の国民の利益にマッチした日中関係をどのように構築すればいいのだろうかという点について、これまでの中国における日本に対する認識の形成を回顧してみると、民間が中心になって形成された日本に対する認識の方が、安定した効果が期待できることが分かる。その点、日本人の中国に対する見方は、政府やメディアによって形成されていることは、見逃してはならない点だ。

しかし、日中双方が、報道の在り方をめぐる問題に気付いており、改めるべき点について考えていることは喜ばしいことだ。例えば、ここ数年、中国メディアは「抗日神ドラマ」を強く非難している。一方の日本メディアも出版界で流行している「中国崩壊論」は再度思考すべきであるという見方を示している。

日中交流はすでに、当初の政府や貿易の面での交流から、一般国民の交流にまで拡大している。中国人観光客は、東京や大阪だけでなく、日本の各地の名所にまで足を運んだり、温泉を楽しんだりするようになってきている。また、日本の寿司職人や美容師、歯科医なども中国に進出しており、その一流の技術や仕事哲学が、中国人の間で好評を博している。

現在、中国と日本は共に、少子高齢化などの深刻な問題に直面している。日中両国がこれほど互いを必要としているというのも、今ほど互いに近づき合っているというのも未曾有のことだ。筆者は、日中両国はたくさんの分野、例えば、21世紀の新エネルギーや人工知能、第5世代移動通信システム(5G)など社会、経済にも影響を与えるたくさんの分野で一歩踏み込んだ交流を展開することができると考えている。双方は、「日中の知識の共有」の分野を開拓し、それを基礎に、「日中知識共同体」さえ構築できると思う。

日中は共に行動し、多くの「知日派」、「知華派」を育成する必要がある。日中双方は協力してグローバル人材を育成し、そのような人材に中国と日本、ひいてはアジアの懸け橋となってもらうことができるのではないだろうか。今のアジアには、エリートはたくさんいるものの、アジアのローカルガバナンスを変えることのできる情熱ある青年が不足しているように思える。中国と日本は、協力して、貧困をなくし、義務教育を普及させ、基本医療保障体系を構築するなど、小さなことからまず連携を強化することはできないだろうか?(文・劉迪、杏林大学大学院教授)(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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