安倍新政権、明確な経済政策、曖昧なエネルギー・外交政策―中国メディア

Record China    2012年12月29日(土) 22時17分

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28日、安倍新政権は明確な経済政策、曖昧なエネルギー・外交政策であると中国メディアが指摘した。写真は東京の宝くじ売り場。

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2012年12月28日、国際金融報によると、自民党安倍晋三総裁が12月26日に開かれた特別国会で、衆参両院の議員による首相指名選挙を経て、正式に日本第96代・63人目の首相に就任した。これにより、自公連立による新政権、第二次安倍内閣が誕生した。同日夜、宮中における内閣総理大臣を任命する親任式後に、新内閣が成立した。

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安倍氏がデフレ脱却に対して確固不動の姿勢を示すと、市場の期待が高まり、「安倍効果」が生まれた。この影響を受け、円相場は同日、2011年4月ぶりに1ドル=85円の大台に乗った。安倍新政権の誕生は、同日の東京株式市場にとって好材料となった。東京株式市場は12月26日に好スタートを切り、日経平均株価が1.49%と大幅上昇し、終値が9カ月ぶりに1万200円台を回復した。東証株価指数も1.16%高となった。証券会社のアナリストは、「円安・株価上昇が今後一定期間にわたり続く」と予想した。

◆景気回復を最重視

自民党の衆議院総選挙の政権公約における「デフレ脱却・日本経済再生」は、新政権の主な課題になる。初の閣議は、経済政策の司令塔となる「日本経済再生本部」を設置し、2012年度補正予算案と2013年度予算案を編成し、これを大規模な景気刺激策として次の本会議での可決を狙う。市場は、「安倍政権は来年1月中旬までに10兆円規模の補正予算案を提出するだろう」と予想している。

安倍氏は12月23日に日銀に対して物価目標の引き上げを再び求め、その要求を満たさなかった場合「日銀法を改正し、日銀に対して雇用増の責任を負わせるだろう」と迫った。政治的手段により日銀の独立性に干渉することを示す発言は、日銀にとって過去最大級の脅威といえる。安倍氏は25日、連立政権を組む公明党と物価目標を設定することで一致した。経団連との会合中、安倍氏は態度を再表明し、「首相に就任したら、日銀に対して金融政策の具体的措置を決定させる。日銀が大胆な金融緩和策などを実行することに期待する」と語った。

大胆な手段により経済振興という主要目標を実現するため、安倍氏は内閣人事で知恵を絞った。麻生太郎元首相は副総理・財務・金融相に就任し、財政・経済の大きな権力を握り、内閣の経済主管となった。中国社会科学院日本研究所日本問題専門家の厖中鵬(マン・ジョンポン)氏は、「麻生氏は日本の政治家・企業家の家庭に生まれ、かつて経済財政担当相に就任した経験を持つ、経済のエキスパートだ」と指摘した。安倍氏はデフレ脱却の決意を固め、麻生氏に財政金融業務を担当させたが、これは麻生氏が強力なバックと幅広い人脈により、金融緩和を実施できると考えたためだ。麻生氏は政界の元老であり、日銀の穏健派を説得し、金融緩和を実行に移すことが容易だ。安倍内閣の経済関連の大臣には、他にも経済産業相に就任した経験を持つ甘利明氏がいる。甘利氏は今回、経済再生担当相に就任した。厖氏は、「経済再生本部は安倍氏が総裁就任後に自民党に設置した特別部門の一つである。内閣が経済再生担当相というポストを設置したことからも、安倍氏が経済復興を重視していることが伺える」と分析した。

◆曖昧なエネルギー・外交政策

安倍内閣はエネルギー戦略、原発廃炉の問題について、明確な政策主張を打ち出しておらず、まさに手探り状態と言える。厖氏は、「安倍氏はエネルギー戦略を分担する茂木敏充氏を経済産業相に任命した。また、石原慎太郎前東京都知事の長男、自民党前幹事長の石原伸晃氏を環境問題・原発事故処理を分担する環境相に任命した。しかしながら両氏は業務経験を持たない。エネルギー戦略は安倍内閣が直面する課題だ。安倍氏は茂木氏を経済産業相に任命したが、これはエネルギー政策の方針を確定できないという現状に応じた一時的な妥協案であり、来年の参議院選挙後に内閣を再編する可能性もある。その際に新たな人物を経済産業相に任命し、明確なエネルギー戦略を打ち出す可能性がある」と分析した。

安倍氏はまた、外交・安全保障政策においても、明確な方針を示していない。岸田文雄氏を外相に、小野寺五典氏を防衛相に、太田昭宏氏を海上保安庁を管轄する国土交通相に任命した。

安倍氏は岸田氏を外相に任命したが、岸田氏は外交家ではない。厖氏は「経験のない人物を外相に任命したことから、安倍氏が外交政策の決定権を自ら握ろうとしていることが分かる。具体的な対米関係、対中関係、対韓関係、対露関係などは安倍氏が自ら取捨選択し、優先順位を決めるだろう」と指摘した。日本の外交は近年乱れており、外相は誰もが嫌がるポストになった。高村正彦元外相など、豊富な外交経験を持つ人物は外相就任を避けており、未経験者を選ぶしかなかった。尖閣諸島問題で強硬な姿勢を示している小野寺氏は、防衛相就任後に日本の安全保障に関する職権を握ることになる。厖氏は「小野寺氏の就任により、日本の防衛政策の右傾化が加速するだろう」と懸念する。しかし一方で、公明党の太田昭宏前党首が海上保安庁を管轄する国土交通相に任命された。公明党は中国に対して友好的な政策を実施しており、太田氏本人も中国の関係者と良好な関係を維持している親中派だ。厖氏は、「国土交通相は尖閣諸島海域を管理する海上保安庁を管轄する。太田氏をこのポストに任命したことから、安倍氏は尖閣問題で中国にあくまでも対抗するつもりはなく、対中国関係の改善に向け余地を残したと見られる」と分析した。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/TF)

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