<在日中国人のブログ>箱根駅伝を愛する外国人は日本をも愛する

配信日時:2019年1月19日(土) 15時20分
箱根駅伝を愛する外国人は日本をも愛する
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大人になってから、めったに泣かない。ところが、毎年の年始の風物詩である箱根駅伝には思わず感動し、涙を流すのだ。私の毎年の「初泣」は箱根駅伝のためにある。写真は2003年に大学のグランドに立つ筆者。
大人になってから、めったに泣かない。ところが、毎年の年始の風物詩である箱根駅伝には思わず感動し、涙を流すのだ。私の毎年の「初泣」は箱根駅伝のためにある。

初詣、新年一般参賀、箱根駅伝は日本人の新年三大集団行動だと思う。私はなぜか、箱根駅伝に最も愛着をもっている。毎年、必ずテレビあるいは現場で観戦する。自分の母校が箱根駅伝の強豪校であることも原因の1つだと思う。今年初優勝を果たし、歓喜の涙が溢れた。

箱根駅伝の男子たちの表情が好きだ。純粋かつ真剣で強い意志を感じる。ただただ一生懸命走る。辛い時でも我慢強く、ときには走りながら笑顔を見せる余裕も。優勝を目指す選手の笑顔は何より輝いている。テレビでは解説者が選手一人ひとりを紹介し、家族の話や選手のエピソードなど、何もかも感動させられる話ばかりである。

走り終えた選手は、体がどんな辛くても観衆に一礼する。その光景を見ると、涙が出る。日本の好青年が箱根駅伝に集まっているといっても過言ではない。普段マスコミが伝える日本の若者のイメージは大体「やる気なし」だが、現場で観戦する場合は、いつも熱狂的な「頑張れ」の雰囲気に圧倒され、目に涙を浮かぶ人が少なくない。

箱根駅伝では個の力と集団の力が完璧に合わさる。各チームの出場選手10人は仲間との信頼関係を築かなければならない。そして、チームのために走り、チームが勝つための戦略を取らなければならない。

チームの順位が大事だが、個人の魅力が感じられる区間賞も注目ポイント。集団という土台の上で個の力を発揮する、まさに日本社会の縮図だと思う。

以前、終点の大手町であるチームの選手らの号泣を目にし、もらい泣きをした。目標通りの成績にならなかったから、皆が悔しくてたまらない様子だった。本来は「尽力した」「しょうがない」と自身を慰めればいいのだが、選手らは自分に厳しそうだった。

箱根駅伝では、出場校はみなそれぞれに個性と力強さを持っている。名門大学かどうかは関係なく力強い若者を育てることに尽力している。箱根駅伝を観て憧れの選手が所属する大学に入学したいと思う少年少女もいるだろう。

選手たは箱根駅伝で頑張った思いを胸にそれぞれこの先の人生へとつながるはずである。選手の所属大学だけではなく、出身高校も公表されている。選手らが高校時代からすでに走りに「愛着形成」し、箱根駅伝での活躍は出身高校にとっても誇りだろう。

ちなみに、近年、箱根駅伝に外国人留学生を登用することについて賛否両論が聞かれている。反対意見は、箱根駅伝が日本の伝統文化なので、純粋に日本人のみでいいというのが代表的だ。たまに箱根駅伝で走る外国人留学生を見かけるが、留学生の肌の色が日本人選手と違っても、日本人選手と同じ真剣な「顔」をしていた。同じく礼儀正しさも持っている。駅伝の伝統文化がもはや彼らの体に染み込んでいるのではないかと思う。箱根駅伝を愛する外国人は、きっと日本をも愛すると信じている。

最後に私のことを少し話そう。2000年、私は留学生として東海大学日本語別科に入学した。日本の大学のきれいなキャンパスを初めで体験し、魅了された。晴れの日、富士山がそばにあるようにはっきりと見える。私はスポーツが得意ではないが、スポーツを観戦するのは好きである。

夕暮れ時、大学の広大なグランドで一生懸命に投球する選手や走る選手を見ると、いつも一種の感動を覚える。人間がスポーツをする時、とてつもない精神力を持ち、スポーツがこんなに人に楽しさと幸福感を与えていることを悟った。ちなみに、私は大学院でオリンピックの柔道金メダルリストと同じ研究室で同じ指導教授の下で勉強したことがある。

今年、箱根駅伝を初優勝しても、母校の関係者が浮かれることなくマスコミに対し淡々と「速さを強さへ」と語っていたが、そうした姿勢が気に入っている。私は箱根駅伝を愛し続けていく。箱根駅伝から日本の若者・大学・教育・スポーツ・日本人の精神を読み解こう。そして、箱根駅伝で「初泣」し、すっきりした気分で新しい年を迎えよう。

■筆者プロフィール:黄 文葦
十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。
※掲載している内容はコラムニスト個人の見解であり、弊社の立場や意見を代表するものではありません。

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