日本の「空き家バンク」、若者を田舎に誘致―中国メディア

人民網日本語版    2019年1月19日(土) 17時20分

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人口の減少が続き、空き家が増加の一途をたどっているということが、日本を長期的に悩ませる社会問題になっている。写真は秋田県横手市。

人口の減少が続き、空き家が増加の一途をたどっているということが、日本を長期的に悩ませる社会問題になっている。統計によると、住宅7戸につき1戸が空き家で、その状況は悪化する一方となっている。そのため、多くの自治体が空き家の賃貸・売却を希望する人から申込みを受けた情報を、空き家の利用を希望する人に紹介する制度「空き家バンク」を設置している。筆者はこのほど、東京都檜原村に足を運び、その制度について詳しく取材した。

1960年代、檜原村の人口は一時7000人ほどに達したものの、90年代に若者が村を離れるようになり、今は2200人まで減少し、空き家が200戸以上ある。空き家の中には、相続者のいない物件もあれば、売り物件として何度情報を出しても売れない物件もある。そして、景観が悪くなり、安全性の問題も出てくるほか、資源の浪費という問題が目立つようになってきている。そのため、檜原村は、「空き家バンク」を通じて、空き家を安い家賃、物件によっては無料で貸し出すようにサポートし、他の地方からやって来てそこに定住する住民には、家のリフォームなどができるように最高で220万円の補助金を交付している。

また、「空き家バンク」では、若者を対象に、無料で住宅を提供するほか、現地で仕事ができるように取り計らう特別な政策も打ち出している。

「空き家バンク」のユーザー・松本賢二さんは2年前に檜原村に引っ越して、農業に携わるようになった。松本さんは「引っ越してくる決め手になったのは、家と仕事が保証されているから。3年あれば、ここで人脈を十分に作ることができ、その後、他の仕事を探したり、起業したりすることも容易になる。これが、『空き家バンク』の最も魅力ある部分」と話した。

統計によると、現在、日本には空き家が820万戸以上あり、2033年には2000万戸にまで増えて、総住宅数に占める割合は3分の1になると予測されている。空き家を減らすことは急務で、国土交通省も全国版「空き家バンク」を設置し、よく似た物件や周辺の環境などの情報を提供している。価格は通常50-2000万円で、無料で譲渡してくれる物件も一部ある。無料譲渡の場合、譲り受けた側は仲介費用と贈与税を払うだけで取得できる。

しかし、日本は12年連続で人口が減少したうえ、昨年の減少幅は過去最大となったため、業界関係者は、今後も「人口より家のほうが多い」という問題は長期にわたって続き、もっと効果的な解決策や市場のニーズの発掘が必要との見方を示している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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