「ライブ配信パーソナリティ職業報告」発表、欠ける道徳的倫理への反省

人民網日本語版    2019年1月14日(月) 19時50分

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ここ数年の経済とモバイルネットワークの急成長に伴い、数多くの新興職業が生まれてきた。なかでもライブ配信パーソナリティは、すでに若者が最も憧れる職業の一つとなっている。

ここ数年の経済とモバイルネットワークの急成長に伴い、数多くの新興職業が生まれてきた。なかでもライブ配信パーソナリティは、すでに若者が最も憧れる職業の一つとなっている。8日、あるモバイルSNSプラットフォームが「2018年ライブ配信パーソナリティ職業報告」を発表した。これによると、パーソナリティの男女比では女性が78%、年代別では「90後(1990年代生まれ)」が68%をそれぞれ占めた。「月収1万元(約16万円)」以上が21%、「自分磨きのために毎月1千元(約1万6万円)以上使う」とした人は半数に上った。パーソナリティとして最も稼ぎやすい土地トップ3は、北京・上海・浙江だった。また、パーソナリティの8割は独身で、7割は、「生計が立てられない」としている。パーソナリティという職業に対する認可度が低かったのは、上海と山東だった。報告では、「ライブ配信を見るネットユーザー数は安定して増加しているが、それと同時にパーソナリティの数も年々増えている」と強調している。しかし過去1年間において、この指摘とは全く対照的な見方や意見も出ていることが分かっている。「ショート動画といった新たな娯楽形態が台頭してきたことで、ネットライブ配信の視聴者の間で分流現象が生じている」という見解を最近よく目にするようになってきているのだ。また、2018年、多くのネットライブ配信プラットフォームが閉鎖したり、モデルチェンジしたことを考えると、このような指摘は、根拠のない無責任な論だと切り捨てることは決してできない。ある意味では、終わったばかりの2018年はパーソナリティたちにとっては決して楽ではなかった1年といえるだろう。

あらゆる新興職業と同様、「パーソナリティ」に対する世論は、この数年間で、「受け入れがたい」から「受け入れられる」へと変わってきた。最初の頃は、「まともな職業とは認められない」と異口同音に断じられていた。だが、最新の統計データによると、回答者の73.4%は、「パーソナリティはれっきとした職業である」としており、この結果は、明らかな「進歩」あるいは「妥協」と言える。だが、「パーソナリティ」に対する道徳的評価や評判は相変わらず変わっておらず、「悪ガキ」や「クズ男」による窃盗事件や借金をして女性パーソナリティに貢ぐ行為など、マイナスイメージのニュースばかりが世間を騒がせており、ライブ配信パーソナリティに対する社会的イメージは、決して好ましいものとは言えない点は注目に値する。

報告によると、ライブ配信パーソナリティは、女性が多く78.8%を占める。この職業に対する認可度が低かったのは、上海と山東だった。この事実は容易に理解できる。なぜなら一部地域では、女性の役割に対して、一貫してはっきりと定まった定義があるからだ。もしこうした「期待」の枠から外れてしまうと、たちまち「道理に背く反逆者」と見なされる。そして、「パーソナリティ」という職業は、まさにこのような部類に属するといえる。ライブ配信キャスターが、社会のあらゆる職業、特に女性の職業として認められる範囲を拡大したことは、疑いようのない事実だ。しかしこの新興職業が、資本とパケット通信料によって成熟してきた点は、その他の主な女性の職業とは最も違う点だといえる。

ライブ配信パーソナリティは、社会評価の低さと市場評価の高さが深刻に分裂し、社会的な効果利益と経済的な効果利益が大きく離反した数少ない職業と言えるかもしれない。統計データによると、月収が「1万元以上」のパーソナリティは21%を占めた。このデータの別の一面として、ネットユーザーがパーソナリティに対し、一体どれほど消費したのだろうかという点も突き止める必要があるといえる。そしてこうしたユーザーのうち未成年はどれくらいを占めているのだろうか?ビジネスの一つとして、ライブ配信パーソナリティは、ビジネスのロジック上当然の流れとして生まれた。しかし一種の「ショー文化」として、ネットライブ番組は、人々の悪趣味な部分を刺激・誘発し、衝動的な消費を促す性質を備えており、生まれながらに道徳面で「傷」が存在している。

「2018年ライブ配信パーソナリティ職業報告」は、全てを網羅しているように見えるが、道徳的倫理と価値観という面における反省点について実は欠落している。そしてこの点こそが、この職業における最大のリスクとなり得るのかもしれない。(編集KM)

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