世界経済白書:先進国の「日本化」が顕著に―中国メディア

Record China    2012年12月28日(金) 8時0分

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27日、先進国が直面する問題と困難には同一化の傾向が見られ、経済体制、経済構造、生産・消費方式が似通った社会において、「日本化」が共通の問題となるかもしれない。資料写真。

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2012年12月27日、中国新聞社によると、中国社会科学院は北京で24日、「世界経済黄皮書」(「白書」に相当)「2013年世界経済情勢の分析と予測」を発表した。黄皮書は、先進国が直面する問題と困難には同一化の傾向が見られ、経済体制、経済構造、生産・消費方式が似通った社会において、「日本化」が共通の問題となるかもしれないとの見方を示した。

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黄皮書は「世界経済の今年の全体的な情勢を回顧すると、いくつかの新たな特徴と変化が読み取れる」とし、以下のように指摘した。

▽欧米日の中央銀行が流動性を供給

短期的に見ると、欧米日の中央銀行が流動性の供給措置を講じたために、金融市場と政府の債務危機が緩和され、投資家の自信が回復してきた。しかし大量の流動性により、資本の大規模な流動、外国為替市場と株式市場の動揺、およびエネルギーを含む世界の大口商品価格の不自然な上昇が招かれ、世界経済の安定と復興にマイナス影響を及ぼす可能性がある。

▽欧州債務危機の悪化が欧州一体化を後押し

ユーロ圏では、一部の国のソブリン債と銀行債務の相互作用により債務危機が悪循環に陥り、絶えず悪化を続けている。欧州債務危機は欧州経済に暗い影を落としたが、一方でユーロ圏一体化を推進するきっかけともなった。2012年、ユーロ圏は財政・金融一体化面で大きな進展を果たした。

▽先進国の「日本化」がますます顕著に

近年、日本の経済社会には次のような問題が表れている。第一に、政府債務の対GDP比が絶えず上昇しており、短期・中期的に大きく下げることは難しい。第二に、従来の金融政策を使い果たし、金利をゼロまたはほぼゼロに引き下げても大きな効果が見られない。第三に、高齢化が進行しつつある。第四に、国内の各党派による政治的な対立が激しく、新政策を打ち出す際、共通認識が得られにくい。これら4つの問題が存在する状態をいわゆる「日本化(Japanization)」と呼ぶ。

欧州の今の状況は日本の過去20年の状態と極めて似ている。米国も、高齢化を除く3項目が当てはまっている。つまり、先進国が直面する問題と困難には内在的に同一化の傾向が見られる。経済体制、経済構造、生産・消費方式が似通った社会において、「日本化」が共通の問題となるかもしれない。このことはまた、米欧日などの主要先進国が中長期的な低成長の軌道に入ったことを示している。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/TF)

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