衆院選の自民党勝利後、日本はどこに向かうのか―中国メディア

Record China    2012年12月19日(水) 17時34分

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16日、日本の第46回衆議院選挙は投開票され、最大野党の自民党が圧倒的な勝利を収めた。自民党が政権を奪回した後の内外政策の方向性が注目される。資料写真。

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2012年12月16日、日本の第46回衆議院選挙は投開票され、最大野党の自民党が圧倒的な勝利を収めた。自民党だけで衆議院480議席のうち、過半数を獲得し、執政党の民主党は惨敗した。この選挙結果に基づき、自民党は3年あまりを隔てて政権を奪回し、民主党は野党へと退いた。

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分析者は、有権者が執政から3年あまりの民主党政権に対する信頼を失ったことが自民党勝利の決定的な要因だと見なしている。自民党が政権を奪回した後の内外政策の方向性が注目される。特に、安倍晋三自民党総裁が主張する日本の平和憲法の改正、日米同盟関係の強化、金融緩和政策などに日本の内外から多くの疑問の声が上がっている。

民主党への信頼低下が自民党を救った

民主党が有権者を失望させたのは、第1に公約を履行しなかったためだ。民主党は、前回の衆議院選挙で、非現実的政策を提示し、当時の鳩山由紀夫元首相が駐日米軍普天間基地を「県外」、又は「海外」に移転すると主張したが、鳩山首相の就任後も自民党政権時代に米国と合意した基地移転計画に従ったことから、辞任に追い込まれた。また、民主党は前回の衆議院選挙で、消費税率を引き上げないと公約したが、野田佳彦首相が首相に就任後消費税率の引き上げを極力主張した。今年8月に自民党と公明党の党首は、消費税率の引き上げを軸とした社会保障と税の一体化改革関連法案が国会で早期に可決されるように推進することで合意した。その後、交換条件として、野田首相が期限前に衆議院を解散し、選挙を行うと決定した。

民主党が有権者を失望させたもうひとつの原因は、執政3年あまりの間に、民主党の「内部抗争」が絶えず、消費税率の引き上げなどで意見が分かれたことより、100人あまりもの国会議員が離党したことで、民主党内の足並みが揃わず、執政能力の低さが浮き彫りになった。日本の世論は、今度の衆院選は有権者による民主党の政績に対する「査定」で、民主党政権の点数は「不合格」だったと指摘している。

安倍総裁の意図する政策に懸念が広がる

衆議院選挙の後、日本は近く特別国会を開き、首相指名選挙を行う。日本国憲法の規定に基づき、衆議院で過半数を占める政党の党首が首相に就任する。順調にいくと、安倍晋三自民党総裁の首相再任が確実となる。分析者は、安倍首相が再任後に、6年前に首相に就任した当時の主張を再び持ち出すだけならば、前途多難だという見方を示した。

安倍総裁は自民党の今回の選挙公約で、人々に不安を与える政策を主張した。まずは、内政方面で、日本の平和憲法改正、自衛隊の国防軍への昇格、集団的自衛権の行使の合法化を挙げている。法律の規定に基づき、憲法改正の条文は、第1に、国会に憲法改正案を提出し、衆参両院の3分の2以上の議員が賛成した後、さらに国民投票で3分の2以上が賛成しなければ改正できない。憲法改正反対の声が強まる中で、憲法改正の難度は極めて高いと言える。

その次に、経済面では、安倍総裁は大胆な金融緩和を主張しており、デフレの抜け出しと円高防止を主な課題とし、3%以上の名目経済成長率を実現させようとしている。安倍総裁は総選挙で、6年前の首相在任中の政治的功績をひけらかしていた。即ち、日本経済が成長しつつあり、円相場が安定を保っていたことだ。しかし、日本経済学者は次のように指摘した。当時の世界経済情勢は全体的に良く、日本経済が成長していたのは世界経済の影響によるもので、当時の安倍政権の功績ではない。目下、日本経済は低迷しており、それに加えて欧州の債務危機も続いており、米国経済の回復も遅れている。この時日本政府が金融緩和を行っても、予測できる効果が得られるとは限らない。

第3として、外交方面では、安倍総裁は日米同盟関係の強化を主張している。沖縄県民の強烈な反対の声がある中、普天間基地の移転問題を解決することは口で言うほど簡単なものではなく、日米同盟の強化は困難に直面している。このほか、日本政府が尖閣諸島に対して実施したいわゆる「国有化」により、日中関係が著しく悪化した。

自公連立政権を再現か

日本では衆議院選挙後にどのような政権が生まれるかは、目下完全には明らかになっていない。しかし、日本メディアは、自民党と公明党による連立政権の誕生が決定的であるとの見方をしているが、連立政権にほかの政党が加わるかについては、依然として未知数となっている。

安倍総裁は総選挙で、自民党と公明党が再び政権奪還を実現させようとする目標を重ねて表明していた。1999年から2009年まで、自民党と公明党は連立政権を組織しており、両党にはそれぞれ政策の主張上意見の分岐が見られたが、互いに相互協議と妥協することができ、10年もの長きに渡って連立政権を行ってきた。このため、自民党は再び政権を握った後、まず公明党と連立政権をとろうと考えたのだ。公明党の山口那津男代表(党首)もまた、自民党と共にもう一度執政を行いたいとの態度を明らかにした。

しかし、野党の衆議院で多数の議席を占めた「ねじれ国会」の局面打開は、自民党新政権にとってやはり難しい問題だ。民主党は衆議院総選挙で大敗を喫したが、参議院の最大政党である。自民党と公明党の参議院議席数は合計102議席であるが、参議院の過半数を占める議席数までにはまだ16議席足りない。ゆえに今後国会に提出される各種法案が、参議院をスムーズに通過するのはた易いことではないと言える。

安倍総裁は総選挙で、政権奪還後に民主党と協力することはあり得ないと表明した。安倍総裁は日本メディアの取材を受けた際、自民党と公明党の連立政権を基礎として、参議院で一部の政策が似通った政党と「部分連合」を行い、これにより「ねじれ国会」の局面を打開してゆくと表明した。

「日本維新の会」の石原慎太郎代表(党首)は、自民党と協力してゆくことは可能だと述べている。石原代表は憲法改正問題については安倍総裁と観点が近いという事情もあるが、「日本維新の会」が参議院で3議席しか獲得していない。また、公明党が自民党の「右傾化」を憂慮しており、憲法改正や集団的自衛権の行使に反対しているため、「日本維新の会」との協力は、そう簡単に同意しないだろう。

分析者は、自民党新政権は現実離れした政策主張を調整し、真に実行性の高い内政・外交を推進し、また「ねじれ国会」の局面打開の良策を講じない限り、政権基盤は安定することなく、執政の道は一層苦しいものとなるだろうと考えている。(提供/新華網日本語版・編集/内山

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