ネイチャー、2019年の重大科学ニュースを予測

人民網日本語版    2018年12月31日(月) 20時0分

拡大

ネイチャー(電子版)はこのほど、2019年の科学分野の期待すべき大きな出来事をまとめた。

ネイチャー(電子版)はこのほど、2019年の科学分野の期待すべき大きな出来事をまとめた。これらの出来事には▽中国が科学研究費が最大の国に▽電波望遠鏡「天眼」が大きく目を開き、より遠くの宇宙を見る▽生物医学分野の監督管理の強化で発展をリード――などが含まれる。投資、遠征、変化、監督管理、遠望などが2019年のキーワードになる。科技日報が伝えた。

◆科学研究費が拡大

ネイチャーによると、中国は2019年末に2018年の研究開発費を発表する予定。その際中国は研究開発費が世界最大の国になる可能性がある。中国は2003年より拡大を続けてきた。

欧州も黙ってはいない。欧州委員会は今年6月、次の7年(2021−27年)の科学研究資金援助枠組み「Horizon Europe」を発表した。同プログラムの初期予算は約1000億ユーロで、EUの科学研究資金援助としては過去最大規模となる。同プログラムは、基礎研究、革新、社会重大問題という3大分野に注目する。EU当局者は2019年に、同プログラムの協議を行う。現在の主な問題は、英国の研究者がいかに同プログラムに参加するかだ。英国のユーロ離脱の不確実性が、この国を揺さぶり続けるからだ。

◆「天眼」が目を見開き遠くを見る

世界最大の電波望遠鏡、中国の貴州省にある口径500メートル球面電波望遠鏡「天眼」が2019年9月に全面的に稼働開始し、研究者の使用に供される。2016年の調整段階より、この価値にして12億元(約194億円)の超大型望遠鏡は、50個以上の新たなパルサーを発見している。目を見開いた「天眼」は、高速電波バーストや宇宙のガス雲などの現象が生む微弱信号を探査する予定。

また天文学者はハワイのマウナ・ケア山の、口径30メートル望遠鏡の建設を続けるかを決定する。同計画は今年、現地人が問題視した一連の法律の壁の、最後の一枚を取り除いた。

◆複数のチームが南極へ遠征

米国と英国の研究者は2019年1月に南極大陸に向かい、過去70数年で最大の南極合同任務を開始する。この5年間のプロジェクトでは、遠くにあり不安定に見えるスウェイツ氷河が今後数十年内に崩壊を始めるかを調べる。同プロジェクトでは、自立型水中ロボット(AUV)とアザラシに取り付けられたセンサーを使い、この面積が米フロリダ州に相当する氷河付近の海洋条件を研究する。

2019年の遅い時期に、欧州の科学者は南極ドームCの氷床の掘削を開始し、150万年前のコアの回復を試みる。成功すれば、コアは最も古い気候・大気条件のオリジナルの記録を教えてくれる。

◆人類の起源の研究、新たな進展を迎える

考古学者が2003年にインドネシアのフローレス島で人類に似た「ホビット族」を発見した。その後人々は東南アジアの島で、古代人の種の起源を示す多くの化石が見つかることに気づいた。

現在行われている発掘調査により、私たちはフィリピン・ルソン島の最も古い居住者の情報を知ることができる。例えば彼らの体が小さいのは、外界から隔絶されていたからかなどだ。

◆遺伝子操作の余波

賀建奎氏は今年、世界初となる遺伝子操作ベビーの誕生を宣言し、世界の科学界に衝撃をもたらした。ネイチャー(電子版)は、遺伝学者は2019年に、本件の影響に引き続き対応することになると判断した。

研究者は新たな一年に、賀氏が本当に2人の胚の遺伝子を操作し、双子の女の子を生み出したのかを確認する。また彼らはこの操作による副作用の解明に取り組み、かつ遺伝に利用できるヒトのDNA(卵子、精子、胚のDNAなど)の操作が責任ある監督管理を受けられるようにする枠組みを構築する。

◆「日傘」を作り地球を涼しく

CO2排出量の持続的な増加に伴い、2019年には「太陽・地球工学」による人為的な地球冷却を模索する、初の実験が始まる可能性がある。

「SCoPEx(成層圏制御摂動実験)」を提唱する科学者は、微粒子を成層圏に散布し、それがいかに分散するかを観察しようとしている。これらの粒子は最終的に、一部の太陽光を宇宙に反射し地球の気温を下げる。地球に「日傘」を差すようなものだ。

しかし地球工学の懐疑論者は、この手段が予想外の結果を生み、温室効果ガスの排出削減の努力を損ねることを懸念している。米国主導のSCoPExチームは、第3者諮問委員会の承認を待っている。(編集YF)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携