東野圭吾の「禁断の魔術」が中国で物議―中国メディア

Record China    2018年12月26日(水) 20時40分

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25日、中国新聞網は、東野圭吾の小説「禁断の魔術」が中国で出版され、その内容について中国国内で物議を醸していると報じた。

2018年12月25日、中国新聞網は、東野圭吾の小説「禁断の魔術」が中国で出版され、その内容について中国国内で物議を醸していると報じた。

記事は、東野について、中国でも人気を集めたドラマ「ガリレオ」の原作者であり、これまで20年にわたり湯川学を主人公とする推理小説「ガリレオ」シリーズを9作手掛けてきたと紹介。その8作目に当たる「禁断の魔術」の中国語版がこのほど中国国内で出版されたとした。

そのうえで、本作について「従来の作品を踏襲する複雑な手掛かりの錯綜、精巧な推理、合理的なプロットに加え、今回は湯川学の人間らしさも見られ、よりリアリティーが増した」と評価する読者がいる一方で、中国の読者の間で二つの議論が巻き起こっていると伝えた。

一つは「お約束といった感じのストーリーで起伏がなく、意外な曲折も、邪悪な部分も、感情のもつれといったようなものも見られず、ガリレオのイメージとはかけ離れている」といった、「物足りなさ」を指摘するもの。もう一つは、本作が以前に発表した短編集「禁断の魔術」内の「猛射つ(うつ)」を長編化したものとされているが、単に「水増し」したものではないかという指摘だという。記事によると、「意図的に水増ししたものとしか思えない。そうでなければ、ストーリーがこれほどまでに平坦で味わいがないものになる説明がつかない」といった意見も出ているそうだ。

もともと科学トリックを中心に据えた短編に、詳細な人物描写、人間ドラマを肉付けすることで長編化させ、東野自身「シリーズ最高のガリレオ」と称していた本作だが、今のところ中国での評価はイマイチのよう。記事は、「現時点で書籍、映像作品評価サイト・豆瓣での評価は6.7と低水準にとどまっている」と紹介。中国語版の編集責任者が「1000人の読者がいれば、1000人のハムレットが存在して然るべき。『禁断の魔術』の中身がどうかについては、やはりちゃんと読了してから判断してもらいたい」とコメントしたことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

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