このポスターをデザインした黄海(ホアン・ハイ)氏の作品が、中国国内外で称賛を得るのは実はこれが初めてではない。「太陽照常昇起(The Sun Also Rises)」のポスターがカンヌ国際映画祭で話題となったほか、王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の「グランド・マスター(原題:一代宗師)」、姜文(ジャン・ウェン)監督の「さらば復讐の狼たちよ(原題:譲子弾飛)」、許鞍華(アン・ホイ)監督の「黄金時代(The Golden Era)」、「モンスター・ハント(原題:捉妖記)」など、近年ヒットした中国映画の国際版ポスターも手掛け、海外で好評を博した。黄海氏が日本映画のポスターを手掛けるのも「となりのトトロ」が初めてではない。これまでに、「STAND BY ME ドラえもん」や「万引き家族」などの中国版公式ポスターを手掛けてきた。住む国は違っても、素敵なものを愛する心は誰もが持っているものだ。ハイレベルなセンスで中国文化を海外にPRすれば、中国のデザインがさらに敬意を集め、注目されることになるだろう。
「愛とグルメはうそをつかない」と言われるが、グルメドキュメンタリー「風味人間(Once Upon a Bite)」が現在中国で大ヒット放送中で、コミュニティーサイト・豆瓣における評価が9.2ポイントと高評価を得ており、食いしん坊たちの間で同番組が好評を博していることを示している。黄海氏がデザインしたポスターは、グルメとノスタルジアを組み合わせ、真っ暗の夜に、小籠包が三日月のように輝いている。黄海氏は、「グルメのポスターというと、何も難しくないと思うかもしれないが、食欲をそそりながら、詩の味わいもあるポスターというのは難しい。故郷のグルメには、人々の故郷に対する思いが詰まっている。『風味人間』のポスターでは、そんなノスタルジアとグルメを組み合わせ、グルメを使って『故郷の雲、月、山』を描き、詩の味わいを表現した」としている。
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