AI時代の外国語教育 その苦悩と模索(一)

人民網日本語版    2018年12月12日(水) 23時20分

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特定非営利活動法人日中友好市民倶楽部理事長小野寺健さんによる文章の連載が、今日より始まる。そのテーマは「AI時代の外国語教育 その苦悩と模索」。

人民網ではこのほど、「AI時代の外国語教育 その苦悩と模索」をテーマとする小野寺健氏による連載をスタート。小野寺健氏は特定非営利活動法人日中友好市民倶楽部の理事長を務めるほか、長年にわたり数多くの中国の大学で日本に関する教育指導を行い、「淮安市5.1労働栄誉賞」や「第二回野村AWARD」、「中国日語教育特別感謝賞」などを受賞しているほか、人民日報海外版では「中日友好民間大使」として紹介されている。

第一章 はじめに

先の見えない不確実性の時代だと言われている。

しかし、視界が遮られているのは、未来が不確定だからではなく、目を凝らせば見える未来に、目を背けているか、先送りにして、その対策に、本気で取り組んでいないからではないだろうか。そして、この様な行動パターンが生じるのは、過去の成功体験に安住をして、変化をしなければならないのに、現状に止まってしまう「現状維持バイアス=歪み」が働いているからだ。

吉田兼好は、「徒然草」の中で「月満ちては欠け、物盛にしては衰ふ」としており、盛者必衰は世の習いなので、強く戒めたいものだ。

しかし悩み苦しんでいるのは、自分で選ぼうとしているからであり、自分の頭で考えている人のみが得られる「勲章」との言葉に勇気づけられて、このほど連載に踏み切った。

また、選択に迷った時は、転機が訪れたと解釈をして、未知の世界に踏み出すか、轟々たる非難の中でも、新たな試みに着手するのが、私の流儀と言える。そして、成功した改革は、万人の支持を得られたものではなく、懐疑や反対の怒涛を撥ね退けた果敢な行動により、成し遂げられているといえる。

そこで、本連載に於いては、社会の動きと大学教育を複眼的に俯瞰しながら、新たな行動を促すには、インセンティブが重要であり、重い腰を上げさせるには、「ナッジ」が必要なので、拙文の連載が、インセンティブを開示して、幾分なりとも「ナッジ」の役割を担えればと考えている。

北宋の詩人欧陽脩は、良い考えの生まれ易い環境について、「馬上、枕上、厠上(乗り物に乗っている時、布団で休んでいる時、便所の中)」としている。また文章上達の秘訣として、「看多、做多、商量多(多くの本を読むこと、多く文を作ること、多く工夫し推敲すること)」の三多を諭している。しかし、怠惰を重ねた駄馬故に、理想とは程遠い内容となっていることについては、識者の批判を甘受する心構えだ。

また、「分裂して争う家は、立っていることが出来ない」というリンカーンの言葉もあるため、読者諸賢の叡智も結集しながら、遮る霧を取り払い、外国語学習の意義と愉しさを喚起する議論を展開していく。

著者略歴

岩手県宮古市に生まれる。岩手県立一関第一高等学校、慶應義塾大学法学部法律学科、慶應義塾大学司法研究室を経て、北京の国際関係学院を皮切りに、河北大学外国語学院、清華大学外語系、南開大学外国語学院、北京外国語大学日語系、北京第二外国語学院日語系、天津外国語大学日語学院、曲阜師範大学、山東大学、中国海洋大学、大連海事大学、大連大学日本語言文化学院、淮陰師範学院で、日本国概況、日本文化史、証券・金融に関する特別講座、日経STOCKリーグ、全国学生対抗円ダービー、卒業論文作成に関する指導を行う。

この間、河北大学兼職教授、南開大学日本研究院客座教授、北京大学慶応会顧問、曲阜師範大学外国語学院日語系主任教授、淮陰師範学院日語系主任教授を歴任し、第八回日経STOCKリーグにおける大連大学日本語言文化学院の努力賞、第九回全国学生対抗円ダービーにおいては、天津外国語学院日語学院の優秀賞獲得に導くなど、社会のニーズに対応した教育を、孤軍奮闘の形で実践している。

なお、人民日報海外版にも度々登場し、「中日友好民間大使」として紹介されている。

受賞歴

2009年度 淮安市五一労働賞

2011年度 第二回野村AWARD

2012年度 中国日語教育特別感謝賞

現職

特定非営利活動法人日中友好市民倶楽部理事長

有限会社鴻鵠総合研究所代表取締役社長

日中友好中国大学生日本語科卒業論文コンクール審査委員長

淮陰師範学院客員教授

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