子どもは席を譲り、大人は席を占領する中国=「文明の逆成長」はなぜ起きた?―中国紙

Record China    2018年12月11日(火) 17時10分

拡大

4日、人民日報は「ある子どもが大人に次々と席を譲る光景に深く考えさせられる」とするコラム記事を掲載した。写真は席を譲って一躍時の人となった小学生。

2018年12月4日、人民日報は「ある子どもが大人に次々と席を譲る光景に深く考えさせられる」とするコラム記事を掲載した。

記事はまず、最近中国の公共バスの監視カメラに、小学生が十数分の間に4人の大人に自ら進んで席を譲る光景が映っていたことを紹介。この様子はインターネット上でも大きな注目を集めた。

この児童は席を譲った理由について、大人たちが「仕事で疲れている」「荷物が多くて大変そう」「フラフラしている」と感じたからだと話し、「学校でいつも先生に『困っている人を助けなさい』と教えられているので、譲らないとモヤモヤする」と答えたという。記事はこの答えを受けて「とても考えさせられる」としている。

動画を見たネットユーザーの中には「昔の私のようだ」というコメントが相次いだ。記事は大人たちに「今も私たちはこのように『純粋』な気持ちがあるだろうか?」と問い掛けている。

近年中国では、席を譲るどころか席を占領する大人の行動が問題視されている。特に最近では、席を占領した男性、女性、年配の男性、年配の女性の騒動がネットで次々と話題になり、「占領ファミリー」とも取り沙汰されたほどだ。

記事は「列に並べば、子どもはしっかり並ぶのに、大人は割り込む。展覧会に来れば、子どもはまじめにルールを守って観覧するが、大人は騒ぐ。信号が赤の時、子どもは止まるが、大人は渡ろうとする」と現代社会で見られる大人の規律のなさを批判。そして「子どもが守るルールを大人が守らないのはなぜだろう?大人になるにつれて『無秩序』になるのはなぜだろう?」と、大人の「逆成長現象」が起きた理由を問いかけている。

さらに記事は、「並ぶなんて時間がもったいない」「2等席の乗車券で1等席に座った方が得だ」「携帯ゲームをするのに(バスや電車では)座った方がやりやすい」という利己的な大人の考えを紹介し、「大人は、どういう行為が秩序の取れた行為か知らないわけではないが、『自分』というものさしで、あえて『無秩序』な行為をしている」と論じ、「大人の『逆成長』を止めるには、『利己的な考え』を減らしていかなくてはならない」と指摘した。(翻訳・編集/和田)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携