世界で初めて水素車を商用化した韓国、インフラ整備は進まず

Record China    2018年12月14日(金) 6時20分

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10日、韓国・朝鮮日報は「世界で初めて水素車を商用化した韓国、充電スポットはソウルの2カ所を含み全国で9カ所のみ」と題する記事を掲載した。資料写真。

2018年12月10日、韓国・朝鮮日報は「世界で初めて水素車を商用化した韓国、充電スポットはソウルの2カ所を含み全国で9カ所のみ」と題する記事を掲載した。

記事はまず、商用化された水素車の充電スポットうち、ソウル市内にある現代自動車水素充電スポットを紹介している。今月3日に訪れたところ、利用していたあるドライバーは「ソウル近郊から約15キロの距離を40分ほどかけて来た」と話したという。充電にかかる時間はたったの5分。ドライバーは「(充電スポットは)平日のみの営業で、金曜の夜や月曜の朝に来ると半日がつぶれていしまう」と不満を漏らしたという。

こうした現状を受け、専門家からは「グローバル競争で優位を占めるためには、自動車・燃料電池技術だけでなく、インフラの構築が切実」との指摘が出ているという。水素充電スポットが拡大されてこそ、水素車の需要が増え技術の発展につながるとの説明だ。しかし韓国国内の水素充電スポットは、他の競争国に比べて不足している。12月現在で一般車両が利用可能なスポットは全国に9カ所、ソウルでも2カ所しかないという。

水素充電スポット普及の足かせは「費用」と「安全性」と、記事では伝えている。一般のガソリンスタンド(5億ウォン=約5000万円前後)と比べ、設置費用がおよそ20億ウォン(地価を除く)程度と4倍近く高い。他の競争国は、収益性の問題を政府支援と規制改革で解決している。日本も政府が設置費用の50%の運営補助金を支援している。中国では、充電所の設置費用の60%を政府が支払っているという。一方で韓国は運営補助金がなく、設置費用も50%支援にとどまっているという。

また、欧州や日本などでは都心に水素充電スポットが相次いで設置されている。日本には充電スポットのあるコンビニもある。韓国自動車部品研究院のク・ヨンモチーム長は「科学的に水素充電スポットは、一般のガソリンスタンドやLPG充電スポットより安全」と説明したという。

これに対し、韓国のネットユーザーからは「電気自動車の時代はあと数年で終わる。これからは水素車の時代」「水素車こそが韓国の生き残る道。大気汚染も減るだろう」との声が上がり、韓国政府に対し「政府は何してるんだ?400兆ウォン(約40兆円)を超える予算を水素車の政策にもちょっとは使って。ディーゼル車が良くないから追いやろうとしてるけど、それなら(水素車のような)エコ自動車の充電スポットも政策で積極的に増やすべき。無駄に北朝鮮のために使わないで」「こういうことこそ積極的にすべき。北朝鮮を援助したり、余計なインフラを増やしたりしないで」と訴える声も。

また韓国内の自動車メーカーに対し「現代(ヒュンダイ)自動車は土地に10兆ウォン(約1兆円)投資して、充電スポット設置には1ウォンたりとも投資しないの?」「国民の税金で設置しようと思わずに、現代自動車が設置して」などと指摘する声も多く集まっている。

中には具体的に「充電スポットの設置規制をなくして支援を強化すべき。潜在的な革新が切実」「規制もなくして、ガソリンスタンドを水素充電スポットに転換しようとする所にはメリットを与えたら?新しく設置するだけがいいことじゃない」などの提案も寄せられている。(翻訳・編集/松村)

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