日本製の品質は良心に基づくものではない―中国専門家

Record China    2018年12月10日(月) 9時10分

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6日、環球時報は、「日本製の品質は監督のおかげ、良心に基づくものではない」と題する霍建崗氏の文章を掲載した。資料写真。

2018年12月6日、環球時報は、「日本製の品質は監督のおかげ、良心に基づくものではない」と題する霍建崗(フオ・ジエンガン)中国現代国際関係研究院日本所副研究員の文章を掲載した。以下はその概要。

近年相次ぐ日本製品の検査データ改ざんなどの問題について、ある日本メディアは生産設備の老朽化や人材不足などを要因として挙げた。合理性のある解釈だが、根本的原因に触れているとは言えない。

これまで「日本製」は「非常に不思議」と伝えられ、その品質の高さは日本特有の「匠の精神」によるものとみなされた。だが、ここ数年の相次ぐ問題を受け、少なくない人が「日本人の良心は壊れた」「日本製の没落」と嘆きの声を上げた。製品の質とは結局のところ生産者と消費者の契約であり、市場経済においては生産者の契約順守が約束されねばならない。「良心」は頼りにならず、法律や厳格な処罰があって初めて経済秩序の根本が守られる。偽造行為にペナルティーが与えられないなら、偽造によって利益をむさぼろうとする生産者は次々と現れ、最終的に社会全体の生産の質が下降するだろう。日本を含め、どの社会にも言えることだ。

日本製品の全体的な質が高いことは否定できないが、これは生産者の道徳意識の高さ、自然と湧く品質への厳しい要求からではない。外部による束縛の結果だ。

第一に、日本は中国や米国などに比べて社会共同体の一面が強い。内向型の共同体にとって相互間で守るべきルールは時に法律以上の重要性を持ち、ルール違反者は往々にして排除、蔑視を受ける。日本社会に見られる相互間の制約は、古くからある生産企業に品質コントロールをより重視させた。

第二に、日本の消費者は比較的「厳しい」。品質に対する消費者のきっぱりとした態度は、消費者の要求により即した品を提供するよう生産者に促し、偽造行為に対する有力な制約となる。日本人は「世界で最も選り好みする客」との称され、消費者のこうした姿勢も製品の質、パッケージ、サービスなどのレベルアップを促進する。つまり、「高品質」にはかなりの度合いで識別力を持つ消費者の助けが必要なのだ。

第三は、ブランド意識だ。日本は成熟した製造大国で、影響力を持つブランドは少なくない。これらは生産者に絶え間なく利益をもたらしてくれる。偽造で得られる利益は一時的、失う利益は長期的だ。多くの企業はブランド価値を守りたいとの考えから品質の面でも追求を続ける。

ではなぜ、あれほど多くの偽造事件が起きたのだろうか?「ずるさで利益を」というのは商業社会の天性で、仮に監督の目がなければ多くの企業は「偽造の衝動」を持つだろう。前述のような束縛を受ける日本製品の問題頻発にも、実はこれら「外部監督」が関係している。

今世紀、中国など新興国の経済が急成長するのに伴い、日本経済にも少なくない変化が生じた。競争力は低下し、日本メーカーはこれまで優勢を維持してきた分野から次々と撤退した。現在、日本で比較的高い競争力を持っているのは末端消費者と直接接することのない材料メーカーなどだ。品質が下がっても精密機器による検査や告発がなければ、消費者が気付くのは困難だ。

品質問題が集中的に明るみに出たのは、問題がここ最近で起きたことを意味しない。偽造行為を見て見ぬふりをする人もおり、内部告発する人も以前は少なかった。このところの集中的勃発は日本の伝統的な企業モデルに変化が生じたのと同時に、内部告発者を保護する法律が後押ししたためだ。「日本製」で相次ぐ問題の中にある経験と教訓は、われわれが探究するに値する。(翻訳・編集/野谷

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