米中の次の交渉は極めて重要、貿易戦争に5つの見方―中国メディア

人民網日本語版    2018年12月7日(金) 5時20分

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12月1日夜に行われた米中トップの会談と晩餐会は、歴史的な会談であり、2018年に世界が最も注目した晩餐会だったことは間違いない。

12月1日夜に行われた米中トップの会談と晩餐会は、歴史的な会談であり、2018年に世界が最も注目した晩餐会だったことは間違いない。

海外メディアの報道では、晩餐会は拍手の中で終了し、大成功だったという。これは双方が会談に対する共通認識でもある。月曜日の世界株式市場は大幅に上昇して、この会談への高い評価がうかがえた。

これから双方のチームによって行われる具体的交渉が、非常に重要であることは言を俟たない。貿易戦争の今後の方向について、おおよそ次の5つの見方がある。

△1つ目の見方:積極的な進展はあるかもしれないが、順風満帆というわけにはいかない。

トップによる今回の力強い後押しを受けて、米中経済貿易チームが交渉を加速させ、早期に合意に到達することは間違いない。だがこれまでの長い間の駆け引きを考えると、誠実さがなく、引き続き過大な要求をするようなら、新たな波瀾の幕開けとなる可能性を排除できない。

結局のところ、公開された情報によれば、双方が90日以内に合意に達しなければ、米国はまたふっかけてきて、関税を10%から25%に引き上げる可能性があるということだ。これは再び戦端が開かれることを意味する。

そのため、双方は今後、知恵を尽くし勇気をもって事態に立ち向かわなければならない。中国は最良の結果を得るために努力するが、最悪の場合も考えておかなければならない。無論、新華社の論説で指摘したように、誠実ささえあれば、中国と米国の間に解決できない問題はない。

△2つ目の見方:矛盾や争いはあるが、協力こそ内在的なニーズ。

今回の晩餐会と会談により、麻薬の「フェンタニル」(合成オピオイド)が話題になった。

オピオイドは医療用麻薬で強い鎮痛作用があるが、米国で乱用され、深刻な社会問題となっている。

そこで今回の会談後にホワイトハウスが出した声明の中には次のような一節があった。「非常に重要なことに、中国の指導者は優れた人道的な姿勢として、フェンタニルを規制薬物として指定することに同意した。これはフェンタニルを米国に販売する者は中国の法律が規定する最高刑の対象になることを意味する」。

喜びの感情は言葉の端々に表れるものだ。この声明は何を意味しているのだろうか。

最も根本的なことは、米中にはまだ協力できることがたくさんあるということだ。協力しなければ、問題の多くは解決できず、最終的には米国国民の幸福に影響する。米国国民もこのことをますます冷静に認識するようになっている。

△3つ目の見方:中国は米国製品をたくさん買うが、米国もより多くの譲歩が必要。

米国は絶えずいろいろな国に貿易戦争をしかけてきたが、なぜ米中貿易戦争は最も注目を集め、最も熾烈で、最も勝敗のつきにくい戦いとなるだろうか。

サイズが重要だ。中国はなんといっても世界2位のエコノミーであり、どの国も失いたくないと思い、代わりになることのできない巨大な市場、整った産業チェーン、便利なインフラとビジネス環境が備わっている。こうしたことが貿易戦争に際して中国の自信の最大の源になっている。

米国が貿易戦争を発動する最も直接的な動機は、中国により多く製品を売りたいと考えることにある。中国が米国に対して巨額の貿易黒字を抱えるのは、確かに争えない事実だ。

市場経済では、価格と品質が重要だ。米国製品が本当にいいものであれば、たくさん輸入するのは悪いことではない。言い換えると、そうなれば二国間貿易のバランスにプラスになるだけでなく、中国国民のますます増大する素晴らしい生活へのニーズを満たし、高い品質の経済発展を促進する上でもプラスになり、さらには中国国内の競争市場の構築にもプラスになる。

もちろん、交渉とは妥協の芸術であり、米国も譲歩が必要である。よいものを売らず、中国企業に対してさまざまな障壁を設けるようなことはしてはならない。どちらか一方だけが妥協するなら、真の合意にはいたらない。このような合意は、持続しないのが常だ。

△4つ目の見方:中国には圧力がかかるが、米国にかかる圧力も大きい。

率直に言って、このたびの過去に前例のない貿易戦争は、確かに中国に圧力を与えている。とはいえ、貿易戦争ではどちらも傷を負い、真の勝者はいない。一部の中国企業と中国の産業にマイナス影響をもたらしたことも確かだ。

だが一方で、米国にかかる圧力も大きいことを見過ごしてはならない。

最近、米国株式市場は激しく変動しており、ホワイトハウスはこれは米連邦準備制度理事会(FRB)の仕業だとの見方を示すが、米国の経済学者のほとんどが、米中貿易戦争がますます激しくなり、米国の投資家の信頼感に深刻なダメージを与えるようになったためとしている。こうした事態が続けば、米国経済自身も必ず重傷を負うことになるという。

よって理性的にみるならば、このたび双方はそれぞれ1歩ずつ引いて、重要の共通認識にいたった。米国にとってみれば、強い内部圧力も大きな要因になった。結局、ホワイトハウスは公開の場で株式市場の上昇を重要な政治的業績だとの見方を示した。中国国民はこれまでそんな風に考えたことはない。

△5つ目の見方:圧力は原動力であり、中国にとって本当は悪いことではない。

これからの交渉で、新たな火種が出現する可能性は否定できないし、挫折や危機の可能性もあるものの、危機の中にチャンスがあるのだ。

最も楽観的な見方としては、息も出来ないような強い圧力がなければ、壮士が腕を立つような思い切った行動の原動力は生まれない。より大規模な改革開放を実施することが、中国の改革開放40周年における最良の贈り物であり、われわれが目下の挑戦に立ち向かう時の最強の武器になる。

事実、米中貿易戦争がエスカレートし続けると同時に、中国は一貫して整然と開放を推進してきた。過去1年間に4回にわたり自主的に関税を引き下げ、第1回中国国際輸入博覧会にはたくさんの企業が集まったことが、何よりの証拠だ。世界銀行が発表した最新の報告書「ビジネス環境の現状」によれば、中国はビジネス環境番付で1年前から32位も順位を上げた。中国の進歩はこのように客観的な事実だ。

圧力がなければ、原動力も生まれない。中国は市場が資源配置で真に決定的な役割を果たすようにし、改革開放が人々に多くの着実な獲得感をもたらすようにしていく。みんなが心を合わせれば何でもできる。中国は何も恐れることはない。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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