中国の今年の漢字はこれ?「攻撃力が半端ない」とネットで話題に

人民網日本語版    2018年12月7日(金) 10時20分

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ここ数日、微博の話題ランキングに「2018年の今年の漢字はこの字」という内容がランクインし、人々の注目を集めている。

ここ数日、微博(ウェイボー)の話題ランキングに「2018年の今年の漢字はこの字」という内容がランクインし、人々の注目を集めている。しかし、そこで紹介されている自称「今年の漢字」とは、誰も見たこともなく、読み方も分からない架空の漢字。それは貧乏を意味する「窮(qiong)」とブサイクを意味する「丑(chou)」を組み合わせて造られた漢字で、読み方を「qiou」としている。そしてその意味は、そのまま「貧乏でブサイク」だ。

この「新出漢字」に、多くのネットユーザーは、「辞書を調べなくても、意味はひと目で分かった」としており、あるネットユーザーは、「経済的には土を食べなければならないほど貧しく、その容姿も泥臭い」と解説している。この「qiou」に対するネットユーザーたちの反応は、「グサッときた」や「この漢字の読み方は、『wo(私)』のはずだ」、「この漢字の攻撃力と殺傷力が半端ない」と様々だ。

▼専門家「ストレス解消法のようなもので、今年の漢字には不適切」

字典には果たして本当に「qiou」という漢字があるのだろうかという問いに対し、南京師範大学文学院の中国言語文字学専門家である董守志博士は、「どの字典にもこのような字はない」とした。

そして、「この漢字は、ネットユーザーの現代社会の風潮に対する逆説的風刺。現代社会はルックスや経済力をますます重視するようになっており、若者たちは皆大きなプレッシャーを抱えている。『高帥富(長身で金持ちのイケメン)』や『白富美(色白で金持ちの美女)』といった言葉もそのルックスや経済力の高さを意味している。ネットユーザーは、この漢字を作ることで、そのような社会の風潮や若者が直面している困難な状況を逆説的に風刺している」と分析している。

南京12355総合サービスセンターのカウンセラーである文清氏は、「これはネットユーザーのストレス解消法のようなもの。この漢字は、ネットユーザーたちが身近に感じている生活における思いをうまく切り取っている。『窮』と『丑』を使うことで、自分自身を笑いつつ、ほかの人々にも共感を覚えさせるというストレス解消と気分転換を行っている。また、自分を見つめ直すことにもなる」と分析する。

一方、「qiou」という漢字そのものについて着目した場合、言語・文字専門家は、「ネットユーザーの単なる文字遊びにすぎない。漢字のルールにも反している」と指摘する。上海の雑誌「咬文嚼字」の黄安靖編集長は、「『qiou』というピンインも同様だ。ピンインのルールに基づけば、正しくは『qiu』とすべきで、iとuの間にoはない」との見方を示す。

ネットでも、「qiou」について、「誤解を生まないために、『これはいたずら』と注記すべきだ」や「この漢字は、ポジティブに奮闘する若者の存在を無視している。この漢字の表面的な意味にしろ、その字義にしろ、『今年の漢字』にはふさわしくない」という声も上がっている。

中国国家語言資源モニタリング・研究センターや商務印書館などは毎年、共同で中国の「今年の漢字・ワード」と世界の「今年の漢字・ワード」を発表している。ちなみに2017年の中国の「今年の漢字」は「享」で、世界の「今年の漢字」は「智」が選ばれ、2016年は中国が「規」で、世界が「変」、2015年は中国が「廉」で、世界が「恐」だった。黄編集長は、「『今年の漢字』は非常に厳粛に選出されており、厳格な手順に基づき厳選された漢字やワードは、その年の特徴や社会の主流となる価値観を必ず反映していなければならない。『qiou』という漢字は、漢字としてだけでなく、読み方も間違っており、今年の特徴にもマッチしていない。実際これはネットユーザーたちがネタにして遊んでいるだけであり、一部の人の生活に対する思いに過ぎない。それを非難する必要もないし、ましてや大々的に取り上げる必要もない」との見方を示している。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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