かまどの前に便器を置くだけ、何が「トイレ革命」だ―中国メディア

Record China    2021年1月31日(日) 16時0分

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29日、海外網は、中国で進んでいる「トイレ革命」について、一部農村地帯ではまったく「革命」が進んでいない現状があると報じた。資料写真。

2021年1月29日、海外網は、中国で進んでいる「トイレ革命」について、一部農村地帯ではまったく「革命」が進んでいない現状があると報じた。

記事は、中国各地で近年「トイレ革命」が大々的に進められており、多くの農村で衛生環境が大きく改善したとする一方で、一部地域では理解に苦しむような「使えないトイレ」が頻発しており、先日も中国北部の多くの村で「設置しただけで使いようがないトイレ」が多く見つかったと紹介。ずさんな設計と施工、作ったら作りっぱなしといったさまざまな問題により、この5年間で現地政府が多額の資金をつぎ込んで設置、改造した8万カ所余りのトイレのうち、すでに5万カ所が「廃棄」状態になっていると伝えた。

そして、かまどや洗濯機の前に何の遮蔽(しゃへい)物もなく設置されて、水洗機能すらないトイレや、ガラクタに埋もれた便器の前でお年寄りが鉄のおけに用を足すという情報を知ったネットユーザーからは「故郷の農村でも同じことが起きている」「環境整備と言えば壁を白く塗り、緑化と言えば山をペンキで塗る。トイレ改革と言えば、家の隅っこに便器を積み上げて、村長さんのメンツを守る」といった皮肉めいたコメントが続々と寄せられていると紹介した。

その上で、中国政府が2018年に発表した「農村居住環境改善3年行動プラン」では、現地の地理条件、風習、経済水準、住民の希望などさまざまな現実的要素を踏まえて合理的にトイレ改革を進めるよう求められているのに対し、一部の地方では単に「全部の家庭に便器を置けばいい」という安直な考えに終始していると指摘した。

また、中国でしばしば語られる「上に政策あれば、下に対策あり」を地で行く形式主義がはびこり、「水洗、通電」という条件に対し「便器の横に水おけを置き、裸電球をつるす」といったことで「革命」を済ませたり、空き家に便器を置いて「目標」を達成したりといった事例が後を絶たないほか、計画や立案、実行の監督管理体制が不十分なために、住民への助成金支給が滞ったり、汚職の温床にさえなっているのだと伝えている。

記事は、トイレ問題を完全に解決するには、各地方において十分な下調べ、合理的な意思決定、細やかな監督管理の下でプランを打ち出し実行する必要があり、「報告書の数字の見栄えをよくすることばかり考えて、使えないトイレを積み上げ、住民の財産を損なうようなことがあってはならない」と結んだ。(翻訳・編集/川尻

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