中国のHIV感染者数85万人に、年間約8万人が新たに感染―中国メディア

人民網日本語版    2018年12月4日(火) 1時20分
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2018年末時点で、中国におけるHIV生存感染者数は約125万人に達すると予測している。2018年9月末の時点において中国全土で報告されたHIV生存感染者数は85万人、死亡者数は26万2000人。ここ数年、年間で約8万人が新たに感染しているとしている。

中国疾病予防コントロールセンター(CDC)と国連合同エイズ計画(UNAIDS)、世界保健機関(WHO)が共同で取りまとめた内容によると、2018年末時点で、中国におけるHIV生存感染者数は約125万人に達すると予測している。2018年9月末の時点において中国全土で報告されたHIV生存感染者数は85万人、死亡者数は26万2000人。ここ数年、年間で約8万人が新たに感染しているとしている。総人口における感染率は1万人あたり9.0人で、国際基準に照らし合わせると、他の国と比べ、中国のHIV感染状況は「低度の流行」に該当するレベルだが、その分布には地域差が見られるとしている。主な感染ルートは性的接触によるもので、2017年に報告された感染者のうち、異性間の性的接触による感染は69.6%、男性同士の性的接触による感染が25.5%をそれぞれ占めた。中国青年報が伝えた。

■実績:輸血による感染拡大はほぼ根絶、母子間感染は効果的に抑制

国家衛生健康委員会疾病コントロール局の王斌(ワン・ビン)副局長は記者会見において、「長年にわたる努力が実を結び、中国におけるHIV予防コントロール政策は日増しに改善され、『政府による組織・指導、各部門による責任負担、全社会による共同参与』という業務体制が確立された。予防・治療のための経費は年々増加しており、サービスネットワークは一層完備され、科学技術によるサポートはさらに顕著化し、予防コントロール事業は卓越した効果を上げている」とし、以下のような具体的な説明を行った。

(1)輸血による感染ルートをほぼ遮断。臨床用血液に対する核酸増幅検査(NAT検査)」の徹底実施が実現し、輸血または血液製剤の使用による感染例はほぼ皆無となった。

(2)注射による薬物使用が原因となる感染を効果的に抑制。薬物維持治療や清潔な注射針使用・交換などの予防コントロール措置を徹底したことで、2017年に報告された注射針の共有によるHIV感染者数は2012年比44.5%減少した。また、薬物依存症からの回復を目的とした薬物維持療法を受けている患者のHIV感染率は、2012年の0.2%から2017年には0.03%まで低下した。

(3)母子間感染も効果的に抑制。HIV母子間感染予防コントロール事業の全面的・徹底的な実施によって、HIVの母子間感染率は、2012年の7.1%から2017年には4.9%まで低下し、過去最低レベルとなった。

(4)検査による感染者の発見率が引き続き向上。検査方針を拡大し、検査対象者数は2012年の延べ1億人から2017年には延べ2億人に増えた。

(5)抗HIV治療事業に顕著な効果。抗HIV治療を受けた人数は、2012年の17万1000人から2017年には61万人まで増加、2017年のHIV感染者に対する治療率は80.4%に達し、治療成功率は90%以上を維持している。

(6)抗HIV治療をめぐる社会環境が引き続き改善。

■目標:「90-90-90目標」

中国の「十三五(第13次五カ年計画:2016-2020年)」HIV予防治療事業の目標は、「90-90-90目標」と定められた。具体的には、「診断によってHIV感染を見つけ、自身の感染状況について知識を持つ感染者・患者の割合を90%以上とする」、「診断によりHIV感染と判明した感染者が抗HIV治療を受ける割合を90%以上とする」、「抗HIV治療を受けた感染者・患者が治療に成功する割合を90%以上とする」の3項目の目標が設定されている。

UNAIDSは2014年、2020年までに「90-90-90目標」を達成することを、世界HIV予防治療目標と定めた。「90-90-90目標」の達成が実現すれば、感染源の73%以上が効果的に抑制され、新規感染者数を減らし、HIV感染拡大に終止符を打つという最終目的が達成できるとされている。

中国疾病予防コントロールセンター・エイズ予防センターの主任を務める韓孟傑(ハン・モンジエ)研究員は、「次なる任務は、検査業務をいっそう拡大し、能動的な検査受診を促すこと」と指摘し、「早期検査によって早期発見を実現し、早期発見によって早期治療を可能にする。こうした優れた循環によって、HIV予防・コントロール事業をいっそう進め、感染・流行を極めて低レベルに抑えることが可能となる。治療薬を服用する必要がある場合は、できるだけ早い時期から服用を開始し、途中で服用を止めることのないよう、継続を徹底しなければならない。そうすることで初めて、非常に好ましいコントロール効果を得ることができる。しかし、それでもやはり、性的接触におけるコンドームの使用に関しては引き続きアドバイスしていきたい。コンドームは、HIV感染を食い止める非常に基本的かつ効果的な方法で、性的接触による感染防止に抜群の効果を発揮する。われわれはコンドーム使用によるHIV感染予防のPR活動とコンドームの効果的な使用法の普及活動を可能な限り強化していかなければならない」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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