中国の人気俳優、蒋勁夫が交際相手の日本人女性に顔を殴るなど暴行を加え、重傷を負わせたとして逮捕された事件は、中国でも報じられた。ジャン・ジンフー（蒋勁夫）はDVを謝罪したが、国内からは非難の声が集中。中国メディアは関係者の「彼の芸能人生は完全に終わった」との声を伝えている。

ジャン容疑者は1991年、湖南省長沙市生まれの27歳。上海戯劇学院を卒業し、181cmの長身を生かして雑誌のモデルを始めた。キャリアは順調で、中国の映画やドラマで主演を務め、巨額脱税でも有名になった女優のファン・ビンビンと共演したこともある。中国の雑誌で表紙も飾っている。今年4月から日本に語学留学し、東京都台東区のLIC国際学院に入学した。

事件は11月20日、日本人女性があざだらけで腫れ上がった衝撃的な自撮り画像をインスタグラムにアップし、投稿が中国のSNSに引用されて瞬く間に広まった。ジャン容疑者は謝罪。中国版ツイッター・微博（ウェイボー）で「どんな理由であれ、手を上げるべきではなかった」と振り返り、「自分の行動を恥じている。言い訳はしない。自分の行動の責任を取り、罰を受け入れる」と書き込んだ。

28日になってジャン容疑者は弁護士と通訳に伴われて警視庁巣鴨署に出頭し、傷害容疑で逮捕された。巣鴨署によると、ジャン容疑者は10月12日、東京都豊島区にあるマンションの部屋で、交際していた日本人女性に対し、複数回にわたって顔や腕を殴るなどの暴行を加え、全治4週間の重傷を負わせたとされる。取り調べに対しては容疑を認めた上で、動機については「プライベートのことなので話したくない」と供述しているという。

逮捕は中国メディアも相次いで報じた。これを受け、微博の検索キーワードランキングでは「ジャン・ジンフー逮捕される」がトップ10に急上昇するなど、中国国内でも大きな関心を集めている。

人気者のDVについて中国のネットユーザーからは「ファンだったけど、ものすごく失望した」「あなたはこの数年、一体何をやってきたのか。何をやってもいいとでも思ったのか」「どうしてそうなったのか知りたいが、それでもあなたが間違っている」などのコメントが多く寄せられた。

中国の芸能関係者が「これで彼の芸能人生は完全に終わった」と話したとも報じられており、ネットユーザーからも「一度やれば、二度目もある」「俳優人生、終わったな」など、DVが事実だとすれば再発の可能性があり、従来同様の芸能活動をするのは難しいとの意見も目立った。（編集/日向）