バス乗客の男、橋を通過中に運転士に食ってかかりハンドル奪う―湖南省

Record China    2018年11月25日(日) 18時0分

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湖南省永州市内で22日午後、路線バスが大橋を通過中に乗客が運転士に食ってかかり、バスが橋を渡り切ったところでハンドルを奪い取った(写真)。中国では10月、重慶市内で運転手と乗客が殴り合ったことでバスが橋から転落し、15人が死亡している。

中国メディアの澎湃新聞は23日、湖南省永州市内で22日午後、路線バスが瀟湘大橋を通過中に乗客の男が運転士に食ってかかり、バスが橋を渡り切ったところでハンドルを奪い取ったと報じた。運転手はバスの速度を落としており、すぐに停車したために負傷者は出なかった。

男は最初、着席して眠っていた。バスは混んでいなかったが、乗客の乗り降りは激しい状態だったという。目を覚ました男は自分の額から血が出いているとして、運転席まで歩み寄り「賠償」を求め始めた。

運転手によると、男は明らかに酒に酔っていた。相手にせずにいると、男は車内で叫び続けた。たまりかねた乗客が男に向って「理屈にならないことを言いなさんな。あんたのそこに血が出ているのは、眠っていて前の座席の背もたれに額をぶつけたからに決まっているじゃないか」と言った。

他の乗客と言い争いが続いた。男は「やってやろうじゃないか」といった、相手に手を出すような言葉も口にしたという。

バスが瀟湘大橋に差し掛かると、男は運転手のそば来て、「賠償しろ」などと騒ぎ続けた。運転手は橋を通過中であることも考え、男の挙動に注意しつつも運転に集中した。橋を通過し終わったところで、男は突然、運転手からハンドルを奪い取った。運転手はその時までに速度を落としていたので、バスはすぐ停車することが出来た。

監視カメラ映像によると、バスが停車すると、男は運転席から離れて、運転手や他の乗客に促されて車内中央部まで歩いていき座席に座った。その時になり、バス後部から立ち上がってやや歩み寄ってきた乗客もいる。男がさらに暴れるようなら、他の乗客と一緒になって取り押さえるつもりだったように見える。運転手は立ち上がって携帯電話で話している。バス会社または警察に通報したと思われる。

通報を受けた警察官が約5分後に到着て、男を連行した。男は警察により、行政拘留10日間の処罰が科せられることになった。行政拘留とは罪状が比較的軽微と判断される違法行為に対して、警察などの行政機関が裁判なしで科すことのできる処罰の一種。

中国では10月28日に重慶市内で橋からバスが転落する事故が発生し、15人が死亡した。原因は、女性乗客が運転手に殴りかかったことだったと判明。女性乗客が下車する予定だった停留所が工事のために移動しており、バスを戻すよう要求する乗客と運転手の争いになったという。

永州市内の「ハンドル奪い取り」については、バスの運行会社である永州市公交公司が重慶市の事故を受け、「乗客が理不尽に暴言を吐いても言い返さない。殴られても殴り返さない」など運転手に対する教育を改めて強化し、「危険度をできるかぎり低減し、乗客の安全を確保する。必要な場合には安全に停車して警察に通報する」などの手順を徹底したという。(翻訳・編集/如月隼人

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