不潔な現金に「NO!」、電子マネーは衛生環境も良くする―中国人学生

日本僑報社    2018年11月25日(日) 19時0分

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中国では近年、電子決済の普及が目覚ましいが、青島農業大学の宗振宇さんはその利点の一つが衛生面にあると考えているようだ。

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中国では近年、電子決済の普及が目覚ましいが、青島農業大学の宗振宇さんはその利点の一つが衛生面にあると考えているようだ。以下は宗さんの作文。

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以前、買い物をする時に、嫌なことが一つだけあった。それは、会計の時、店員から渡されるお釣りの中に、汚いお札があることだ。今にもちぎれてしまいそうなボロボロのお札や、知らない人の名前が書いてあるお札などが渡された時は、「次の買い物の時に、早く使ってしまおう」と思っていた。特に、大学の食堂でお昼を食べる時などは気になって仕方がなかった。ほとんどの学生はカードにお金をチャージし、端末にかざして会計をするが、学外から来たであろう人たちは、当然、カードを持っていないので現金で払う。店員は素手で現金を受け取り、同じ手で食器に料理を盛り付けるのだ。

「汚いお札を触った手で、料理に触らないで」と思いながら、そのような光景はあえて見ないように目を逸らしていた。私の知り合いに食堂の店員がいるが、彼女も「衛生上、できれば現金ではなく電子マネーで払ってほしいが、規則がないので仕方がない」と言っていた。気になっていたのは私だけではなかった。それから、いつも私は「きれいな環境で食べたいのです。みんな、そう思っています。現金は厳禁してください」などとつまらない冗談を心の中で呟きながら過ごしていた。

そして、今年4月、私は大学の食堂の前に掲げられた通知を見てほっとした。その通知には、「衛生面やサービスの向上を図るため、5月から、大学の全ての食堂では、カードでのみ支払いができ、現金での支払いは認めない」ということが書かれていた。私たちの願いが大学に届いたのだ。これで、食堂で現金を見ることはなくなるのだ。そう思うと、食堂に行くのが一層楽しみになった。5月1日、大学の通知通り、現金のやり取りは完全になくなっていた。あるのは、「ピッ」という電子音だけだ。しかし、私には、その電子音が何よりも美しく聞こえた。

お昼を注文している時、私の隣で会計をしようとしていた男性が、「あれ、現金で払えないの?」と不思議そうに聞いていた。その年配の男性は作業服を着ていて、おそらく学内の工事のために来た業者の人なのだろうと思った。昨日まで当たり前のように現金で払っていたのだから、戸惑うのも当然だろう。店員はにこやかに「ええ、大学の方針で、今月からカードでのみ支払いが可能なんですよ」と答えていた。すると、男性もニコッと笑い、「そうなんだ。まあ、今は電子マネーの時代だから仕方ないね。俺もカードを持たないと」と言っていた。

その男性の言う通り、今は電子マネーの時代だ。若者も老人もこの流れに対応しないといけない。そして、電子マネーを使えば、現金をいつも持ち歩く必要はない。現金には、コンピューター上で、ハッキングされ盗み取られるという心配はないが、多くの人たちの手を経て自分のところに来るので、特に食品を買う時には電子マネーを使う方がいいと思う。これからの中国は、食品衛生面もさらに向上させていくだろう。私も、大学だけでなく、さらに多くのレストランやスーパーで電子マネーを導入していってほしいと思っている。そうすれば、客も店員も衛生に対する意識が高まり、いずれ中国全体で衛生環境がさらに良くなるだろう。

以前、日本でも中国の電子マネーを取り扱うアリペイの導入が進んでいるというニュースを見た。これを機に、日本でアリペイが定着してほしい。中国には各地方に特色のある料理があり、中国人だけでなく、日本をはじめ、多くの海外の旅行者も味わっているはずだ。ただ、せっかく中国に来て味わうのだから、できるだけきれいなイメージの中で食べてほしい。料理の味はもちろん大事だが、食べる雰囲気も大事だからだ。電子マネーは、中国での食事を一層おいしくさせるに違いない。日本人の皆さん。中国に来て食べる時、あなたの手元のカードで「ピッ」としませんか。(編集/北田

※本文は、第十三回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「日本人に伝えたい中国の新しい魅力」(段躍中編、日本僑報社、2017年)より、宗振宇さん(青島農業大学)の作品「電子マネーを使ってきれいに会計」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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