日本企業、中国から撤退する可能性高まる―中国メディア

Record China    2012年11月12日(月) 13時5分

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12日、尖閣問題を発端とした日中の紛争は依然として改善の兆しをみせていない。この難題が日本企業に与える打撃もますます大きくなっている。資料写真。

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2012年11月12日、このほど行われたアジア欧州会議(ASEM)の首脳会合で、温家宝(ウェン・ジアバオ)首相と野田佳彦首相はすぐ近くをすれ違ったものの、一言も言葉を交わさなかった。尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題を発端とした日中の紛争は依然として改善の兆しをみせていない。この難題が日本企業に与える打撃もますます大きくなっている。国際金融報が伝えた。

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日本の衰退が始まる

東京商工リサーチが8日発表した負債総額1000万円以上の倒産企業数は、前年同月比6%増の1035件だった。倒産企業の負債総額は53.5%増となった。

また、内閣府が同日発表した9月の機械受注統計によると、「船舶、電力を除く民需」受注額は前年同期比7.8%減となり、下げ幅が専門家の予想(4.9%減)を大きく上回った。前月比の下げ幅も市場予想を上回った。同指標は6〜9カ月先の設備投資の動向を示す先行指標と言われている。

税関の統計によると、2011年の日中両国間の貿易額は3428億9000万ドル(約27兆2521億円)で、過去40年で340倍以上に増加した。今年第1〜3四半期の日中貿易総額は、前年同期比1.8%減の2487億6000万ドル(約19兆7708億円)となった。

経済学者の謝国忠(シエ・グオジョン)氏は「経済的な問題はすでに表面化している。これは中国人消費者の選択であり、政府の政策とは関係ない。しかし、中日の『島をめぐる争い』が解決するまでは、中日経済協力関係の悪化は避けられないだろう」と語る。

日系企業、東南アジアへ移転か

世界的な経済危機と中国市場からのプレッシャーにより、日本経済は衰退に陥った。この局面を打開すべく、日本国内では日中関係の回復を求める声が日に日に高まっているが、一方で中国から東南アジアへと産業を移転する動きも加速している。

財務省のデータによると、日本の対ASEAN直接投資増加は昨年、前年比で倍増し、1兆5500億円の新記録を樹立した。今年1〜8月、日本の対ASEAN投資は4180億円(コミットメントベースを含まず)に達し、4〜6月のASEANへの外国直接投資は前年比37%増となった。

日銀の統計によると、今年第2四半期、日本の対ASEAN直接投資は前年同期比3800億円増となり、対中投資増加(3000億円)を上回った。

業界関係者は、「7月以降、日本企業の対ASEAN投資は対中投資を上回った」と指摘する。「チャイナリスク」が投資移転の最大の原因だとする分析もある。中国の平均賃金は過去5年で倍増し、頻繁に発生する労使トラブルも不安要素だ。さらに尖閣諸島問題が日本企業にもたらすリスクも加わった。対日関係が良好で、且つ潜在力がある東南アジアが今後、日本の新たな投資先となりそうだ。中でもフィリピンは日本にとって最も魅力的な投資先となっている。

日本企業撤退の可能性は?

謝国忠氏は「日本企業が将来中国から撤退する可能性は非常に大きい。今日本の最も主要な産業は自動車と機械製造だ。トヨタ自動車は今回余り影響を受けなかったが、これは中国市場の販売額の全体に占める割合が小さいためだ。現状から見るかぎり、日本企業が中国で投資し工場を建設するリスクはあまりにも大きく、撤退が最も時勢に合った選択肢だ」と語る。

中国国務院発展研究センター金融研究所の経済学博士・範建軍(ファン・ジエンジュン)氏も、「双方の協力にはもはや利益が無い。回避・移転こそが理性的な選択だ。東南アジアの市場は未熟だが、徐々に開発することができる」と語り、日本の選択は合理的との見方を示した。

謝氏は「日本経済の主な問題は債務問題だ。経済成長により債務問題を解決するためには海外市場を発展させなければならない。中国市場が無くなった今、日本は他の市場を探さねばならない。日本が産業を東南アジアへ移転させているのは、資源・生産コストの面でメリットがあるためだ」と指摘した。

中国産業に対する影響は小さい

読売新聞の報道によると、日本政府はすでにカザフスタンとの間でレアアースの輸入に関する合意に達した。輸入は2013年1月にも始まる見通しだ。日本が中国以外の国からレアアース資源を輸入するのは初めてとなる。

範氏は、「日本がカザフスタンからレアアースを輸入するのはコスト削減のため。中国のレアアース輸出制限により、国際価格が国内価格より割高となっている。これらのコストは中国の環境のために支払う対価だ。企業の環境コストが高まり、価格が上がれば競争力は下がる。日本が他国からレアアースを輸入することは正常なこと」との見方を示す。

尖閣諸島問題が中国企業にもたらす影響について、謝氏は「影響は小さい。中国から日本への輸出品は主に食品だ。日本の大部分の食品は中国で生産されている。ただし、われわれは受託生産工場のようなもので、実際は日本から派遣された技術者が現場で管理を行い、栽培から包装、輸出にいたるまで、産業チェーン全体を把握している。このため大きな影響はないだろう」とする。

日本の産業の東南アジア移転による中国経済への影響についても、謝氏は「その心配はいらない。東南アジア市場はまだ成熟しておらず、システムも完備されていない。世界経済を支える近代化された生産プラットフォームとなる条件が整っていない」と述べた。

謝氏はまた、「日本経済が直面している状況は非常に深刻だ。国家財政赤字、企業経営などの面で大きな問題を抱えており、主導権を保てない状態だ。中国の国力増強に伴い、日本は政治的にも経済的にも主導権を失う可能性が極めて高い」と強調した。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/内山

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