G20に合わせ米中首脳会談、貿易戦争、南シナ海問題、「新冷戦」緩和の糸口つかめるかが焦点

Record China    2018年11月17日(土) 5時20分

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米中首脳会談が11月末の主要20カ国・地域(G20)会議に合わせて開かれる。貿易戦争や南シナ海問題など両国の対立は「新冷戦」の様相。首脳会談で緊張緩和の糸口がつかめるかが焦点だ。写真はG20サミットが開かれるアルゼンチンのブエノスアイレス。

米国トランプ大統領と中国の習近平国家主席は11月末、アルゼンチンで開かれる主要20カ国・地域(G20)会議に合わせて会談する。トランプ政権が中国に仕掛けた貿易戦争をはじめ、南シナ海問題など両国の対立は「新冷戦」の様相を呈している。首脳会談で緊張緩和の糸口がつかめるかが焦点だ。

トランプ政権は昨年12月、安全保障政策の基本方針を示す「国家安全保障戦略」を公表。この中で中国をロシアと共に自国の権威主義モデルに沿った世界の構築を目指す「修正主義国家」と呼び、両国の挑戦に対抗する米国の強い決意を示した。オバマ政権の後半から米国内では中国への警戒感が高まっていたが、対決に大きく舵(かじ)を切った。

米国が対中貿易で抱える巨額の赤字も問題視する。知的財産保護を理由に、中国からの輸入品に追加の高関税を課す制裁に3回にわたり踏み切った。対象額は2500億ドル(約27兆5000億円)に達し、中国からの輸入額の約半分にも積み上がっている。中国も報復関税で応酬。出口は見えないままだ。

さらにペンス米副大統領は10月、トランプ政権の中国政策に関して演説。東シナ海や南シナ海などで進出姿勢を強める中国を危険視する姿勢を鮮明に打ち出し、「中国はトランプ大統領の米国第一主義を挫折させようとしているが、大統領は決して屈することはない」と強調した。ペンス米副大統領の演説は、英国のチャーチル元首相が1946年に米ソ冷戦の始まりを「鉄のカーテン」になぞらえた演説を連想させるとして注目を集めた。

米中首脳会談に先立ち、11月初めにはワシントンDCで米中閣僚級による外交・安全保障対話が開かれた。米側からポンペオ国務長官、マティス国防長官、中国側からは楊潔篪・共産党政治局員、魏鳳和国防相が参加した。

米側は南シナ海問題のほか、中国が台湾との国交断絶を関係国に働きかけている問題や、ウイグル族ら中国国内の弾圧の問題を指摘。これに対し、中国側は激しく反発し、魏国防相がその後の記者会見で「台湾が中国から分裂しようとするなら、われわれはかつて米国が南北戦争でしたように、いかなる犠牲を払ってでも祖国統一を維持する」と主張するなど、米中両国の溝の深さが改めて浮き彫りとなった。

中国国営新華社通信によると、習主席は今月1日、トランプ大統領と電話会談した際、「中米関係の健全で安定した発展を促進することを希望する」と呼び掛けた。トランプ大統領は「私たちは幾つかの重大な問題について踏み込んで議論することができる」と応じたとされるが、欧米メディアは「トランプ政権内で対中強硬派と穏健派の意見が割れているとみられる」と報道。米中首脳会談の行方に悲観的な見通しを伝えている。(編集/日向)

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