「LoL」世界大会で中国チームのIGが優勝 SNSで一躍時の人に

人民網日本語版    2018年11月7日(水) 16時50分

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ゲーマーでないとしても、3日の夜は、「Invictus Gaming(IG)」という名前をSNSで目にしたことだろう。

ゲーマーでないとしても、3日の夜は、「Invictus Gaming(IG)」という名前をSNSで目にしたことだろう。LoL競技シーン最高峰のイベント、「2018リーグ・オブ・レジェンド・ワールドチャンピオンシップ」の決勝戦が同日、韓国ソウルの仁川文鶴競技場で開催され、中国チーム「IG」が優勝したのだ。ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」が誕生して以降、中国大陸部のチームが同大会で優勝するのは初めてのことだ。

若いゲーマーにとって、同大会は、国の栄誉を背負って各チームが参加するエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)界の最高峰イベントであり、その重要性と影響力は他のどのスポーツ大会にも引けを取らない。「IG」が中国のSNSで大きな話題となり、ゲーマーのeスポーツに対する熱意、ゲームの領域にまで浸透している国家の一員として国のために戦うという意識、主流メディアの好意的な祝福などが、eスポーツに「汚名」を返上する機会を与えている。

中国のeスポーツチームが今回優勝し、eスポーツに対して好意的な見方を持つ人と批判的な見方を持つ人とのはっきりとした違いを見ることができる重要な窓口となったのは興味深い。中国では、「中国全土の大学寮では大学生が大盛り上がりになった一方、寮の管理人のおばさんは目をキョトンとさせる」といった類のニュースや不思議そうな顔で「IGって誰?」と聞く傍観者を目にすることができる。もちろん、「eスポーツは快楽だけを求めたもので、スポーツではない」、「若者は奇異なものに夢中になり、本当に大事なものを見失っている」と批判する声も残っている。eスポーツは正規化の過程で、依然として社会の保守派のネガティブな目に直面し、その世論の二極化は、価値観や社会の風潮の変遷の縮図ともなっている。

eスポーツは長い間、単にゲームをしているだけと見なされ、「デジタル・ヘロイン」という汚名を着せられ、最先端の「スポーツ」と見なされることはなかなかできなかった。しかし、実際には、eスポーツは早くも2003年に、中国国家体育総局の競技項目に盛り込まれた。また、李暁峰(SKY)が05年、フランスで開催された「ワールドサイバーゲームズ」(WCG)で世界チャンピオンになり、eスポーツの世界大会で中国人が初めて表彰台の一番高い所に立った。李暁峰が中国の国旗をはおり、涙を流すシーンは、80後(1980年代生まれ)、90後(90年代生まれ)のゲーマーの間では有名だ。それにより、eスポーツが多くの人の視野に入るようになり、李暁峰は08年の北京五輪の際には聖火ランナーにも選ばれた。

これにより、中国ではeスポーツの流れが大きく変わった。13年には、eスポーツ「中国代表」チームが結成され、17年の「リーグ・オブ・レジェンド」決勝は、スポーツの聖地・北京国家体育場(通称「鳥巣」)で開催された。さらに、eスポーツは「スポーツ競技」としての座をより確かなものとするようになり、今年インドネシア・ジャカルタで開催されたアジア大会では、公式公開競技としてそれが実施された。さらに、22年に中国の杭州で開催されるアジア大会でも「eスポーツ」が正式競技として実施される。世界的なスポーツ大会や中国政府にも認められるようになり、若いeスポーツ愛好者も堂々とそれができるようになっている。その他、eスポーツタウンなどのプロジェクトが各地で実施され、eスポーツの産業化がどんどん進んでいることが分かる。

しかし、その道は決して平坦ではない。eスポーツの中国代表チームが結成され、ある水泳の飛込競技の選手は、「eスポーツってスポーツなの?ゲームで遊んでいてオリンピック金メダリストになれるんだったら、私たちがこんなに一生懸命練習しているのは無駄だ」と話したことがある。確かに、eスポーツが「スポーツ種目」であるかをめぐる議論は依然として続いており、オンラインゲームを不健康な遊びと見なす声が圧倒的に大きい。世代によって価値観が大きく異なるということは、あと10年経ってもeスポーツが大半の人に受け入れられるということはないのかもしれない。

しかし、政府から民間においてまで、eスポーツの正規化という流れが変わることはない。社会において発言権を持つようになり、少しずつ産業化されるにつれ、eスポーツはペースを速めて「汚名」を返上するだろう。若者たちは将来、サッカーバスケットボールの試合だけでなく、各種ゲームの大会にも熱中するようになるはずだ。それは時代の大きな変化となるだろう。

どのような見方や価値観が「正しい」かということを結論づけるのは難しいことだ。中には、「私たちは、上の世代の人に偏見のまなざしで見られながらも、プライドを持ってやっている」という声もある。しかし強調しなければならないのは、eスポーツの正規化は、不必要な偏見を振り払い、若者の趣味や関心事を受け入れるという意味でもあり、eスポーツのスポーツマンシップに則って戦う精神は、オンラインゲームで遊ぶのとは異なるという点だ。eスポーツが正当であると見なすからといって、オンラインゲームをそう見なすわけではない。(編集KN)

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