日本企業復活の道「中国からスピード・効率を学ぶべき」―中国メディア

人民網日本語版    2018年11月8日(木) 6時50分

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日本のビジネス界のリーダーたちは「日本企業は中国企業から効率とスピードを学ぶべき。中国市場の急速にバージョンアップを繰り返すニーズが、翻って日本企業のイノベーションを喚起することになる」との見方を示した。写真はTikTokの広告。

日本企業はどうやったら復活できるか。日本企業はどこから復活してどこへ行くか。苦境から抜け出る道筋という難題をめぐり、パナソニック株式会社の津賀一宏代表取締役社長、日本トップクラスの資産家でユニクロブランドを成長させた柳井正氏、アリババ株式会社(アリババジャパン)の香山誠代表取締役社長CEO(最高経営責任者)、サントリーホールディングス株式会社の新浪剛史代表取締役らビジネス界の大物たちが一堂に会し、激しい討論を繰り広げた。世界の記者に向けて行われたフォーラムだったが、登壇者が言及した海外市場は中国に集中した。彼らは、「日本企業は中国企業から効率とスピードを学ぶべき。中国市場の急速にバージョンアップを繰り返すニーズが、翻って日本企業のイノベーションを喚起することになる」との見方を示した。環球網が伝えた。

■保守的な文化の縛りから脱却を、生き残るには変革必要

「日本企業号」という大きな船の上で、大勢の社員がパソコンに向かって熱心に業務を処理している。外は風が吹き荒れ激しい波が逆巻き、船はもうじき沈みそうだが、社員たちは一向に頓着せず業務を続けている。一方で、舳先に立つ社長は、ヘリコプターが助けに来てくれるのをずっと待っており、船を捨てて逃げようとしている。パナソニックの専務役員を務めるコネクティッドソリューションズ社の樋口泰行社長はフォーラムで、聴衆に向かってこのような絵を示し、「日本企業はこんな状況に直面している。外部では激しい競争が行われているのに、社員たちは環境の悪化に少しも関心を払わないし、社長も何らかの措置を執って沈んでいくのを食い止めようとしない」と歯に衣着せずに指摘した。樋口氏はこの絵によって、保守的な経営状況の中にとどまり続ける日本企業に警告を発した。

コンビニ大手ローソンの社長を務めたことがあり、サントリーの創業以来120年あまりの歴史の中で唯一、外部から代表取締役に就任した「プロ経営者」の新浪氏も、日本企業の保守的な文化の根源を分析して、「日本は島国で、国内のことしか考えない。企業は規模が大きくなっても、外を見る習慣が身についていない」との見方を示した。

日本国内の規制を突破するために、日本企業が直視しなければならない現実の環境とはどのようなものだろうか。津賀氏はスピーチの中で、何回も「自問自答」の語を用い、「企業は時代に合わせて変わらなければいかないが、より必要なのは堅い意思と信念であり、これまでよりも大胆に国境のカベを越える必要がある」と述べた。柳井氏も、「企業のすべての社員が変わらなければならない。自分が変わらなければ会社を変えることはできない。成長しなければ会社は死んだも同然」と応じた。

■多様な人材を育成し、中国企業から失敗への寛容さを学ぶ

サッカーの試合が終われば集団でごみ拾いをするサポーター。地震が起きると給水所に整然と並ぶ被災者。日本では珍しくない現象だが、樋口氏は「秩序の背後で個性が押し殺されている」と指摘し、「現代の多様化する社会では多様な人材の育成に重きを置くべきで、これは未来の100年間に企業が必要とする人材でもある。これまでの日本企業の文化はガチガチで重荷になるものが多く、従順な社員を必要としていた。ルールを守ることは確かに大切だが、企業には自ら現状を変えようとする社員がより必要だ。企業は性別、年齢、キャリアの制限を取り払い、組織の壁を打ち破らなければ、競争力を持てなくなる」と述べた。

新浪氏は「スピードが現在の市場競争のポイント」とした上で、「中国企業にも失敗はあるが、失敗に対して寛容で、やってみること、それからどのようにやってみるかを重視する。日本企業も失敗してもよいからやってみることが必要だ。急いては事をし損じるなどとよく言われてきたし、今でも慌てないことが強調されるが、必要なのはスピードアップだ」と述べた。

一橋大学の楠木建教授は、「安倍首相の中国訪問が成功して、日中の政治的関係は改善した。日本企業はこれから中国市場によりシフトし、お互いの優位性によって相互に補完し合うべきだ。日本企業は良好なチャンスをつかまえるべきだ。ほとんどの日本企業には質の高い製品がありながら、経営スピードは三流だ」との見方を示しつつ、「だが日本企業は自身の優位性を保ち続けなければならない。中国企業のまねをして、スピードと効率が向上しても、自身の特徴が失われ、アウトソーシング企業に成り下がるだけだ」とも指摘した。

■中小企業を孵化し連携させる、力を合わせて消費者個々人のニーズに対応

津賀氏はパナソニックが中国で模索するイノベーションにたびたび言及し、たとえば建設現場で提供するプレハブ住宅は、繰り返し使用できて快適だと述べた。また、火鍋で有名な中国の外食産業・海底撈と協力して打ち出したロボットが料理を運ぶスマートレストランは、食品の安全性を保証し、メニューのトレサビリティ(追跡可能性)も保証するとともに、人工知能(AI)技術を利用して、顧客の好みに合ったスープを提供することもできるという。

津賀氏は、「人々のニーズも多様化している。たとえば若い時にはホットな刺激を好むが、年齢が上がると実用性に傾くようになる。こうした多様性は技術と供給側のイノベーションを通じてこそ発揮できる。今は暮らしに必要なものが余る時代で、企業はハードウェアからソフトウェアにシフトチェンジし、大量生産を減らして個性に応じて選択肢を広げるべきだ。パナソニックは業務と開発を絶えずモデル転換させると同時に、さまざまなアイデアを中国市場で実践している。パナソニックは自社の製品に自信を持っているが、学び続ける必要がある。私たちは顧客から学ぶこと、中国の企業家から学ぶこと、そして成長を遂げることを最も願っている」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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