米アポロ5型に匹敵する能力、中国・長征9号の開発が順調に進展―中国メディア

配信日時:2018年11月1日(木) 18時20分
米アポロ5型に匹敵する能力、中国・長征9号の開発が順調に進展
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中国航天科技集団の関係者によると、早ければ2028年に長征9号の初の打ち上げを行う。2030年には年間4、5回の打ち上げ需要を見込む。同ロケットの打ち上げ能力は現状で中国最大の長征7号の10倍程度で、米国のサターン5型に匹敵する。写真は長征7号。
中国メディアの新京報は1日、中国航天科技集団で長征9号ロケットの開発責任者である張智(ジャン・ジー)氏が10月31日、11且9日に開幕する中国(珠海)国際航空航天博覧会(珠海航空ショー)に向けた同集団の記者会見で、長征9号ロケットは2028年から30年にかけて初の打ち上げを行うと述べた。開発は順調で、2030年前後には年間4、5回の打ち上げ需要が発生するという。

これまで人類が開発に成功した搭載能力が最大のロケットは米国のサターン5型ロケットで、地球周回低軌道への最大搭載能力は118トンだった。同ロケットは有人月面着陸を行うアポロ計画のために開発し、初飛行は1967年11月だった。

ソ連(現・ロシア)が開発に成功したロケットで搭載能力が最大だったのは、1987年と88年に計2回の打ち上げを行ったエネルギアで、低軌道の場合88トンの搭載能力があった。

長征9号は低軌道の場合、最大で140トンの搭載能力があるとされる。張智氏によると、長征9号は3段式で、1段目には推力500トンの液体酸素/ケロシン・タイプのロケットエンジン4基を用いる。ブースターは2機を取り付けることが可能という。

2段目は推力220トンの液体酸素/液体水素ロケットエンジンを2基、3段目には推力25トンの液体酸素/液体水素ロケットエンジンを4基用いる。2段目と3段目にはそれぞれ液体酸素/ケロシン・タイプのエンジンを補助的に用いる。

長征9号は全高90メートル以上で、直径は最大で10メートル程度になるという。サターン5型は全高110.6メートル、直径は最大で10.1メートルなので、長征9号は大きさから言ってもサターン5型に匹敵することになる。

また、中国がこれまで打ち上げに成功したロケットで搭載能力が最も高かったのは2016年と17年に計2回の打ち上げに成功した長征7号で、低軌道の場合に最大で13トンの搭載能力があるとされる。中国は長征号で、打ち上げ能力を一気に10倍程度に高めることを目指すことになる。

米国がアポロ計画を推進したのは、人工衛星打ち上げや有人宇宙飛行で先を越されたソ連に対して、宇宙開発で「一発大逆転」を実現するためだった。ソ連は宇宙開発が米国に先行したことを「共産主義は資本主義よりすぐれている」との宣伝のために大いに利用したので、米国はソ連より先に有人月着陸を成功させ、逆に「資本主義の方が優れている」とアピールすることを狙った。

しかし米国の国力をもってしてもアポロ計画には無理があり、当初20号まで予定されていた計画は17号で打ち切りになり、その後もサターン5型のような超大型ロケットが開発されることはなかった。

中国の長征9号の開発は、有人月面着陸や火星の表土や岩石を地球に持ち帰る無人サンプルリターン、大型宇宙ステーションの建造を念頭に置くとされる。

張氏は、長征9号の開発について「難易度は高いが、現在のところ比較的順調に進んでいる」と説明。開発成功の鍵となる1段目ロケットについても順調に進行しており、2019年6月には最初の噴射実験を行う準備が整うと述べた。

張氏はさらに、長征9号開発の意義について「宇宙を手にした者が、未来を手にすることになる。宇宙空間に到達する能力が大きければ、宇宙開発を発展させる舞台は大きくなる」と述べ、宇宙開発のレースで、今後は各国ともロケットの打ち上げ能力の増大を目指すとの見方を示した。

張氏によると、長征9号の打ち上げ需要は現在のところ、2030年には年間4、5回、2030~35年には年間10回程度、2050年にはさらに増えると見込まれているという。(翻訳・編集/如月隼人
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