中国、南沙島礁で気象観測ステーション3カ所が活動開始―中国メディア

Record China    2018年11月1日(木) 9時10分

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中国メディアの新華網は「わが国、南沙島礁の気象観測ステーションが正式に使用開始」と題する記事を配信し、南海地区(南シナ海地区)と周辺国家の漁民と往来する船舶に役立つと論じた。写真は2016年1月に、南沙・永暑礁に飛行した民間旅客機の客室乗務員。

中国メディアの新華網は10且31日「わが国、南沙島礁の気象観測ステーションが正式に使用開始」と題する記事を配信した。記事は、南海地区(南シナ海地区)と周辺国家の漁民と往来する船舶に役立つと論じた。

気象観測ステーションが設置されたのは、スプラトリー諸島(南沙諸島)のファイアリー・クロス礁(永暑礁)とスビ礁(渚碧礁)、ミスチーフ礁(美済礁)。

中国はファイアリー・クロス礁で2014年8月に埋め立て作業を開始。同年11月には完了させ2015年末ごろまでに3000メートルの滑走路を完成させた。16年1月には海南航空のボーイング737-800と中国南方航空のエアバスA319-100を着陸させるなどした。中国海軍将兵が駐屯しているとされる。

スビ礁はベトナムが占領していたが、1988年に中国軍が攻撃して奪取。2015年には埋め立てを始め、同年6月には埋め立て面積が4平方キロメートルを超えた。滑走路も建設し、16年7月にはやはり旅客機を着陸させた。

中国はミスチーフ礁でも2015年に埋め立てを開始。約半年で2700メートルの滑走路を完成させたとされる。

中国が埋め立てた岩礁3カ所は、自然の状態では満潮時に海面下に沈むので「島」とは認められず、埋め立てて人工島にしても国際海洋法条約などでは領土とは認められない。したがって領海などの設定は認められない。

しかし中国はこれらの人工島は領土であり、周囲には領海が存在すると主張している。そのために中国は南シナ海周辺国だけでなくて米国オーストラリアとの緊張も高めることになった。

新華社は中国の気象部門幹部の話として、南シナ海は常に台風や暴雨霧など、災害をもたらす天候の影響を受けると紹介。同海域では漁業や交通運輸などの活動が増加したことで、悪天候を背景にした事故が時おり発生しているので、漁民や航行する船舶にとって気象災害の予報や警報の有無は切迫した問題と紹介し、中国の気象観測によりこれまで以上に正確な気象観測が可能になると論じた。

また、中国メディアの中国新聞社は同日、中国は南沙諸島における環境総合観測ステーションも完成させたと紹介。ステーションでは大気中の顆粒成分であるPM2.5、PM10、さらに二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、オゾンなど化学的影響を与える気体物質や二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの数値を測定しており、南シナ海地域の大気環境の総合観測のための堅実な一歩を踏み出したと主張。

また、観測データは南シナ海地域の国や人々対して、速やかかつ信頼できる大気環境のデータとして提供するとして、環境問題に関する中国の貢献を強調した。(翻訳・編集/如月隼人

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