「育てたリンゴが売れないと大変なことに」と泣く少女、当局「お涙頂戴の詐欺商法」と発表―中国

配信日時:2018年10月27日(土) 1時0分
貧困農家の写真など使う「お涙頂戴の詐欺商法」が多発―中国
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人民日報は24日、インターネットを利用して少女が泣く写真などを紹介し、「もうすぐ雪で山に入れなくなる。育てたリンゴが売れなくなる」などと説明してリンゴ購入による支援を訴えた情報発信は「お涙頂戴」式の詐欺商法だったと、改めて批判する記事を発表した。
中国メディアの人民日報は24日、インターネットを利用して少女が泣く写真などを紹介し、「もうすぐ雪で山に入れなくなる。育てたリンゴが売れなくなる」などと説明してリンゴ購入による支援を訴えた情報発信は「お涙頂戴」式の詐欺商法だったと、改めて批判する記事を発表した。

インターネットに投稿された情報によると、少女が暮らしているのは四川省涼山イ族自治州塩源県だ。少女が泣いている姿が紹介され、文字部分では、山で育てた250トン分のリンゴの収穫ができず、このままでは雪が降り始めて山に入れなくなると訴えた。

さらに、「彼女は本を読むことが最大の楽しみだ。幼い弟と妹とともに苦労して家を切り盛りしているが、そのことを話すと我慢できずに泣いてしまう。なぜなら、自分勝手なことはできず、(このままでは)来年には家を出て働かねばならないと思うからだ」などと、勉強が好きな少女が貧困のために学業を断念せざるをえないとの書き方をした。

塩源県農業合作社の李徳海(リー・ダーハイ)監事長によると、合作社には120世帯の果実生産農家が加入しており、今年(2018年)のリンゴ収穫量は計5000トン前後。リンゴは成熟前に買い取り業者と契約しており、すでに7割程度を収穫した。買い取り業者数は例年より多く、県内のリンゴが売れないとの話は「聞いたこともない」という。別の県当局関係者も、リンゴが売れないという状況は存在しないと証言した。

記事によると、少女が泣く写真を使ってリンゴを売ろうとしたのは広東省内の電子商取引業者と分かった。

少女は現地に住む小学5年生だった。同業者は「寄付をする」として現地を訪問。感動して涙を流す少女を撮影して「詐欺商法」の広告に利用したという。また、塩源県内の状況を示すために使った「悲惨な生活」の写真は、涼山イ族自治州ではあるが塩源県で撮影したものではなかった。しかも、かなり昔に撮影したものだったという。

地元では、憤りの声が出ている。過去数年に自治州は大きな発展を遂げており、過去の写真を使って虚偽の宣伝を行うことで自治州が事実以上に貧困地域のレッテルを貼られてしまったからだ。塩源県当局はすでに、少女を使った情報発信は「不当な営業行為」と発表している。

なお、泣いている姿を不正に利用された少女は、塩源県でもリンゴ栽培が行われていない場所に住んでおり、彼女の家もリンゴの木は1本も植えていないという。

業者が発表した偽の情報を転載したインターネットユーザーも多い。貧困な農家の苦境を広く紹介することで助けようとした善意の転載が、結果としては悪徳業者を助けていたことになる。業者が「泣く少女」を利用する偽の情報を発信した時期は不明だが、現在も残る転載ページからは、10月になってからと考えられる。

中国では自国内に現在も貧困地域が存在していることに、心を痛める人も多い。習近平政権は貧困撲滅を重要な政策に位置付けているが、民意と合致した方針と理解してよい。

その一方で、収穫物が売れずに困っている貧困な農民を助けようとの触れ込みの「お涙頂戴」式の詐欺商法も多発している。記事によるとこれまで、パイナップル、ナツメ、ミカン、玉ねぎなどを売り込もうとした例は枚挙にいとまがないという。

記事は、「困っている農家を助けよう」と思ってだまされた人が、強い怒りを示していると紹介。果樹農家全体に不信を示す人も出ていると指摘した。(翻訳・編集/如月隼人
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