多くの日系企業、大学内での就職説明会を見合わせ―中国

Record China    2012年10月14日(日) 10時35分

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12日、各企業による大学新卒者の獲得合戦がスタートしたが、重点大学で実施される今年の企業採用説明会の一覧リストを見ると、日系企業の名前が全く見当たらない。写真は浙江省舟山市の大学で行われた就職説明会。

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2012年10月12日、中国新聞社によると、国慶節(建国記念日)の大型連休が終わり、各企業による大学新卒者の獲得合戦がスタートしたが、重点大学で実施される今年の企業採用説明会の一覧リストを見ると、日系企業の名前が全く見当たらない。

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大学と企業側によると、尖閣問題が原因で、多くの日系企業は大学内での求人募集を暫定的に見合わせ、12月頃まで様子を見るつもりだという。

清華大学日本語学科に在籍する劉燕(リウ・イエン)さんは、大学で行われる企業説明会に早い時期から注目していた。もともとは数社の有名日系企業が国慶節連休後の学内説明会に参加すると聞いていたが、大学の就職情報サイトを何度チェックしても、企業リストに日系企業の名前は見当たらない。清華大学だけではなく、北京大学など多くの重点大学でも軒並み似たような状況だという。

記者が清華大学と北京大学の就職情報サイトを確認したところ、すでに公示されている10月の企業説明会の参加企業リストには、確かに日系企業の名前は皆無だった。

日本語を専攻する学生たちは「尖閣問題の影響で日系企業はこぞって就職説明会をキャンセルしたのかもしれない」と困惑の色を隠せない。

▽清華大学・北京大学「日系企業の学内説明会、今年はゼロの可能性も」

北京大学や清華大学など数校の重点大学に確認したところ、9月初旬の段階では、多くの日系企業と大学側は10月初めに大学で企業説明会を実施する予定で、打ち合わせを進めていた。しかし、日中関係が日を追って緊迫化したことから、これらの企業は説明会の開催をキャンセルしたいと自ら大学側に申し出たという。

ある担当教員は、「このような事態は過去に例を見ない。企業側は学内での就職説明会で何かトラブルが発生することを心配している」と話した。大学側も同様の懸念を抱いていることから、企業からの説明会見送りの申し出に同意したという。

今のところ、10月・11月には日系企業の採用説明会が大学内で行われる予定はない。12月の実施を予定している企業もあるが、「学内説明会については、今年はこのまま行われない見込みが高い。学生は各自別のルートを通じ、日本企業の就職説明会に参加しなければならない」(同教員)という。

▽学内説明会からオンライン求人へ

同じような変化が大手求人サイト・智聯招聘でも起こっている。同社の広報責任者・陳嘉傑(チェン・ジアジエ)氏は「9月下旬に日系企業から連絡が入り、ホームページに掲載されている採用募集広告を目立たないように変更するよう求められた」と打ち明けた。

また、一部の有名日系企業は今年の学内説明会を見送り、学生採用募集のやり方を従来の大学内での実施からオンラインによる募集に変更した。

陳氏は「外資企業の新卒者採用計画は通常、年度初めに確定する。学内説明会のキャンセルは企業にとって経済的な痛手になるだろう。また、学生はネット上で日系企業の採用情報を探し、履歴書を送らなければならない。学内説明会で行われていた面談はもはや実現不可能だろう」と指摘した。

▽本社からの担当者派遣もなし「トラブル回避のため」

ソニーや「啓程日本(WORK IN JAPAN)」プロジェクト(中国有名大学の新卒生を日本企業が本社採用するための支援サービス)などの就職説明会は、北京の大学では一切実施されない。

ある有名日系企業の東京本社採用担当者は「就職説明会の場所を大学内から学外に移して実施することは本当だ。北京の各大学は管理が非常に厳しいことから、今年の就職説明会を学内で実施することは極めて難しい」と話した。

同担当者は「毎年、どの会社も北京や上海の有名大学内で就職説明会を開いてきた。今年は両国関係がこじれている現状を踏まえ、説明会は全て学外で実施せざるを得なくなった。しかし、タイムスケジュールは変更しない。学生は各日系企業の公式サイトに掲載された求人情報をチェックし、適宜会社側に連絡を取る必要がある」と続けた。

このほか、例年ならば東京の本社から採用担当者が訪中して就職説明会を開催し、メディア取材にも対応しているが、今年は日本から担当者の派遣は行われない模様だ。同担当者は「日中間のフライトが大幅に減便されたことと、本社がトラブルを極力避けようとしていることの2つが主な理由だ。現状をかんがみ、本社は今年、採用担当者を日本から派遣せず、中国の現地法人が採用業務を行うことになった」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/TF)

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