両目と両手を失った兵士の物語=20歳過ぎたばかり、地雷撤去作業中に事故―中国

Record China    2018年10月22日(月) 7時20分

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中国メディアは19日、「地雷撤去中の兵士、爆発により両目と両手を失う」と題する記事を紹介した。記事は、「ぎりぎりの状況」で任務を遂行する兵士の姿を強調した。

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中国メディアは19日、「地雷撤去中の兵士、爆発により両目と両手を失う」と題する記事を紹介した。記事は、「ぎりぎりの状況」で任務を遂行する兵士の姿を強調した。

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記事によると、中国軍が中越国境地帯で行っていた地雷撤去作業中、11日に爆発事故が発生した。同事故で兵士(あるいは下士官)1人が、両面の視力と両手を失う重傷を負った。兵士を収容した軍関連の病院が懸命の治療を続けたため、生命の危険はなくなったという。負傷した兵士は20歳を過ぎたばかりだった。

記事は、地雷撤去を行う軍人の苦労を強調。「あなたも私も、あまり理解していないかもしれない。テレビや映画で見たり、本で読んだりするだけだ。しかし現実において、これらの人々は毎日、死神と肩を擦りあわせている。目隠しで爆弾と鬼ごっこをしている勇士なのだ」と論じた。

さらに「彼らが毎朝、目を覚ましてからまずやることは、遺書を書くことだ。遺書をきちんとおいてから、地雷撤去の任務に向かう」「その日の任務を終えて戻り、また行うことが遺書を書くことだ。毎日反復して修正し、新たなことを書き加える。そしてやっと、眠りにつく」と紹介した。

そして退役するまでは「1日が過ごせたら、1日分の命を拾ったことになる」と表現。埋設された地雷は時間の経過にともない、性質が変化していると紹介し「過去の経験が役立たないこともある。それでもわれわれの将兵は、自らの命を用いて撤去をしている」と論じた。

記事によると、「科学技術がこれほど発達した今、わが軍はなぜ、人の手で地雷撤去をしているのか」との疑問が出たこともある。軍側は「中越国境の地形は複雑で、道路がない地方もある。地雷撤去の装備も投入することができない。ロボットを歩かせるのも困難だ」と回答したという。

記事は、中越国境の地雷埋設の状況は世界で最も複雑と紹介。地雷が敷設されてから数十年が経過して、敷設場所を示す地図が失われており、残っていても地形が変化するなどで不正確という。

地雷が100%撤去されたと保障できない地域は、100%安全として庶民に引き渡すことができないとして「この100%を達成するために、中国の地雷撤去兵はみなさんが理解しにくい方法により、危険を自分のものとして引き受けている」と論じた。

中国では「軍人の苦労」を紹介する記事が多く発表されている。一般人に対するアピールという軍側の意向に合致する記事であり、上記記事でも軍関係の病院内や地雷の撤去現場の写真が掲載されていることなどから、軍が関わって制作されたと考えてよい。

しかし一方で、読者側のこのような記事を受け入れる心情も強い。中国だけの現象ではないが、軍に不正や失態があった場合には強い憤慨を示す一方で、自軍が困難に立ち向かいつつ成果を上げることに強い満足感を示す人が多い。(翻訳・編集/如月隼人

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