中国高速鉄道と比べると英国高速鉄道の建設スピードは「カタツムリ」並み、でもそれには理由がある―中国メディア

Record China    2019年1月9日(水) 7時20分

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8日、参考消息は、英国高速鉄道建設の速度は現地で「カタツムリ並み」と言われているが、それには理由があるとする記事を掲載した。

2019年1月8日、参考消息は、英国高速鉄道建設の速度は現地で「カタツムリ並み」と言われているが、それには理由があるとする記事を掲載した。

記事は、英国を南北に縦断する高速鉄道計画HS2について紹介。総投資額は約560億ポンド(約7兆7800億円)で、第一期工事となるロンドンからバーミンガムまでの約193キロの区間は、2026年に完成予定。しかし、着工までに時間がかかり何度も延期して予算を大幅に超えたという。

その理由の1つが、高速鉄道建設予定地が欧州史上最大規模の考古学発掘場となったため。約193キロの区間中に、60カ所も考古学発掘場があるという。記事は、「高速鉄道建設の着工は、工事現場でショベルカーが騒音を鳴らすのではなく、考古学者が黙々と小さなスコップやブラシで少しずつ掘ることになった」としている。これまでに古代の鉄器や住居、古代ローマ人が建設した町、バラ戦争の古戦場などが発掘されたという。

その上で、記事は「英国の高速鉄道の建設スピードは現地で『カタツムリ』と形容されているが、中国の建設スピードと比べればカタツムリでも誉め言葉になるほど」と指摘。一方で、「英国の建設スピードが遅いのにはほかにも理由があり、その遅さについてはよく調べてみる価値がある」としている。

記事は、英国の高速鉄道建設が遅いのは「世界で最も厳格な建設考証と審査の手順があるからだ」と紹介。「計画の発表前に延べ5万5000人から意見を聞き、提出された質問に一つひとつ回答。また、環境への影響を抑えるため、ルートは何度も変更され、地下トンネルを採用するなどした」と伝えた。

また、イングランドの中腹を縦断するこの高速鉄道計画では、用地取得のための立ち退き、賠償、煩雑な法的手続きは避けて通ることができないとし、「用地の取得が決まっても、例えばマーティンさんの羊3匹、スザンナさん所有の木1本、野原の蝶、池のオタマジャクシのどれもが、高速鉄道建設を阻む」と説明。英国では権利が保障されていることをやや誇張気味に紹介した。

そして、「英国の高速鉄道建設がカタツムリ並みのスピードということについての禍福は、計りがたいのではないだろうか」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

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