北京市が違法建築の排除とコンビニ設置を同時に進行、3年後には現在の5倍の6000店舗に

Record China    2018年10月22日(月) 13時50分

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北京市政府は、市内にあるチェーン式のコンビニエンスストアをおおむね3年後には現在の約5倍に相当する6000店舗に増やす計画だ。写真は8月に北京市内で開業した羅森(ルオシェン=ローソン)の店舗。

北京市メディアの新京報によると、北京市政府はこのほど、市内にあるチェーン式のコンビニエンスストアをおおむね3年後には6000店舗に増やす計画を明らかにした。2月時点では現状の店舗数は1200店舗との報道があったので、約5倍に増やすことになる。用地確保を兼ねて、市内に多くある違法建築の撤去を進めるという。

北京市はこれまで、上海市などに比べればコンビニが相当に少ないとされてきた。市当局は2月の時点で、2020年までには店舗数を3000店舗に増やす計画を明らかにしていたが、半年余り経過してさらに大胆な計画を打ち立てたことになる。

新規店舗開設のための用地確保の動きはすでに始まっている。市中央部にある東城区や西城区は8月に、2018年1―6月における違法建築撤去の業績を発表した。東城区では、違法建築1024カ所を撤去し、住民向け店舗拠点61カ所を建設した。西城区でも違法建築の撤去などで10万925平方メートル分の新たな店舗用に土地を確保した。

北京市には「胡同(フートン)」と呼ばれる路地が多く存在する。「胡同」は人ひとりがやっと通行できる幅のものから、自動車がゆうに通行できる広いものまで様々だが、文化大革命ごろからは広い胡同に向けて家を勝手に増築したり胡同側面の壁に穴をあけて小さな商店を設けるケースが相次いでいた。市当局の動きは、街の整理と新たな流通の整備を兼ねたものと考えられる。撤去の対象には壁に穴を開けて設けた商店も含まれている。

市の計画では、人口1000人当たり、コンビニエンスストアの店舗面積を10~20平方メートルにする。また、学校やスポーツ施設、病院、公園、科学技術研究機関など公共の場所でのコンビニエンスストア開店を認め、利便性を増す。

市政府はさらに、野菜類、朝食、細かい雑貨類を扱う住人にとって利便性の高い店に対しては、補助金を上積みする考えだ。一方で、敷地面積が300平方メートル以下のコンビニ店の新規開店は認めず、開店前の消防安全検査と日常の監督管理は強化するという。

これまで北京市には、「便民服務(ビェンミン・フーウー、住民のためのサービス)」をうたう小規模な個人経営の店が多く存在した。深夜まで、あるいは夜を徹して営業する店もあった。しかし記事によると、そのような小規模店舗はすでに、淘汰されはじめているという。特に若い世代はコンビニ店の利用が目立つという。

北京市内にある個人商店は個人による経済活動が禁止されていた文化大革命が終了し、改革開放が始まった1980年ごろから復活した存在だった。同時期に存在した国営商店より「愛想」がよく、店主の才覚で需要の高い商品をいち早く仕入れるなどの特徴があった。しかも、店舗は店主一家の住居を兼ねる「完全地元密着型」との特徴もあった。

一方で、安く仕入れた食品類が劣悪だったなどで、「食の問題」も発生しやすいとされた。大手資本により整備されたコンビニエンストアが大幅に増えれば、食の安全に関連する事件は減少すると考えられる。しかし一方で、「北京情緒」を持つ個人商店が減少していくことは避けられないようだ。(翻訳・編集/如月隼人

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