安価な商品が人気、中国の消費ダウングレードは本当か―中国メディア

人民網日本語版    2018年10月19日(金) 6時50分

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ザーサイ、インスタントラーメン、白酒「二鍋頭」など安価な商品が人気を集め、最近は「消費ダウングレード」の声があちこちから聞こえ、消費が経済発展で果たす基本的役割に外部から疑いの目が向けられている。消費は本当にダウングレードしたのだろうか。写真は即席麺。

ザーサイ、インスタントラーメン、白酒「二鍋頭」など安価な商品が人気を集め、最近は「消費ダウングレード」の声があちこちから聞こえ、消費が経済発展で果たす基本的役割に外部から疑いの目が向けられている。消費は本当にダウングレードしたのだろうか。専門家に話を聞いた。経済日報が伝えた。

中国国際貿易促進委員会研究院国際貿易研究部の趙萍(ジャオ・ピン)部長は、「人々の生活水準が絶えず向上するにつれ、消費が全体としてバージョンアップしている。これは大きな流れであるだけでなく、長期的な流れでもある。特に経済が安定成長を維持する発展段階、1人当たり平均可処分所得が持続的に増加する段階では、消費にダウングレードの動きが出る可能性はない。ダウングレードするという見方は実際には経済学の基本的法則に背いている。よって『消費ダウングレード』という説には理論的根拠も現実的な基盤もないため、こうした見方は成立しないだろう」と述べた。

消費のバージョンアップとダウングレードは本質的にはどちらも消費構造の変化だ。現れ方としては消費する品目が変化したり差別化された商品の消費構造が変化したりする。研究分析によると、現在の中国の消費構造には2つの大きな特徴がある。1つは消費のタイプにおいて、実物消費が減少しサービス消費が増加していること。もう1つは同類の消費財の中で、中級~低級の消費財に対する志向が低下し、高級志向が上昇していることだ。よってさまざまな現象から、目下の消費行動がバージョンアップの道を歩んでいることがわかるという。

消費構造が絶えず調整・最適化され、消費増加の原動力がさらに高まっているというのが、多くの専門家の見方だ。一方で、現代型サービス業の発展の勢いが強く、サービス消費が個人消費に占める割合がますます高まり、消費の伸びを牽引する役割もさらに顕在化し、サービス消費と物品消費がともに消費の伸びを牽引する重要なエンジンになっている。また一方で、農村の消費増加率が過去10年間を通じて都市部を上回り、農村消費が社会消費財小売総額に占める割合はまだ低いが増加率は高い。農村の1人当たり平均所得は起点が低く、限界消費性向(MPC)は都市より高い。よって収入が同じく1ポイント伸びても、農村部住民の消費の伸びは都市部住民を大きく上回り、消費の伸びと消費のバージョンアップを牽引する一定の役割を果たすことになる。

これまでは年度単位で利用カードを作製するので一括して高額の会費を支払っていたスポーツジムが、最近は月単位の少額の会費を支払えば利用カードが作れるようになった。中古品取引のアプリケーションがブームになった。ザーサイ会社の●(さんずいに倍のつくり)陵榨菜の株価が1年で200%値上がりした。北京の三源里食品市場ではアボガドが以前ほど売れなくなった。ネットユーザーはこうした現象を挙げて「消費ダウングレード」の見方を裏付けるとしている。

専門家はこれに対し、「価格は客観的な基準ではない。消費行為にしても経済力を完全に反映するものではない。『消費ダウングレード』という言い方は消費者の価格に対する敏感さとしてある程度は解釈できる」との見方を示す。

趙氏は、「所得水準が低い層ほど価格に対して敏感になり、所得水準が高い層ほど価格に無頓着だ。一部の企業は細分化された市場に向き合い、方向性を価格に敏感な層に定め、価格を前面に出した営業販売や商品の刷新などの方法で顧客を誘致し、好調な営業成績を上げ、企業規模は拡大を続け、社会に注目されるようになった。同時に、こうした企業は市場の位置づけが非常に正確で、一部の消費者に歓迎されているので、こうした消費者が消費層全体の中で注目を集める。実際にはこうした現象は『消費ダウングレード』ではない。細分化された市場の存在は逆に消費者の選択肢の増加を意味する」と説明する。

業界関係者は、「消費者のさまざまなニーズを踏まえ、品質保証を前提として、さまざまな価格帯の商品を生産することは、中国の体系的生産能力が大きく、充足したものであることを如実に物語る。全国統一市場の建設を加速し、各種所有制企業に消費財とサービスを公平に提供する上で有利な市場環境を構築することが必要だ」と語る。

見逃せないのはなんと言っても消費の円滑さの向上だ。ここ数年は、オンライン消費が消費増加の大きな注目点となり、新興の業態が高度成長を維持しているが、それと同時に、従来型小売企業も販路を積極的に開拓し、引き続き急成長ペースを維持していることが注目される。

ビッグデータ、人工知能(AI)、モバイルインターネットなどの新技術による推進、ますます整備される物流配送システムのバックアップの下、スーパーや専門店といった従来型小売業態とECプラットフォームとの融合が深まり、消費者の体験をより重視し、レストラン、ショッピング、エンターテインメント、レジャーなどさまざまな消費シーンをクロスボーダーで集めて一体化した新小売業態が次々に登場している。

ここからわかるのは、模倣型、追随型の消費段階はほぼ終わり、個性化、多様化の消費が徐々に主流になり、新興業態が急速に成長し、新商業モデルが次々に登場していることが、消費バージョンアップの歩みのさらなる加速を物語るということだ。また、人々の消費観念の中で省エネ、環境保護、グリーン、ヘルシーへの関心が高まり、「お金を使わない」ことや「お金をあまり使わない」ことが行われるようになったが、これは実質的には「消費ダウングレード」ではなく、理性的な消費であり、環境保護に配慮した消費だといえる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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