国歌をふざけて歌う動画配信=警察が女性を身柄拘束5日間の行政罰に―中国

Record China    2018年10月15日(月) 9時20分

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上海市静安区警察は14日、ストリーミングサイトを通じた動画配信で「中華人民共和国国歌法」に違反したことにより、20歳女性に5日間の行政拘留を科したと発表した。

上海市公安局静安分局(上海市静安区警察)は14日、中国のストリーミングサイト・虎牙(Huya)を通じた動画配信で「中華人民共和国国歌法」に違反したとして、20歳女性に5日間の行政拘留を科したと発表した。行政拘留とは、比較的軽微な違法行為に対して、警察など行政機関が裁判を経ないで科すことができる行政罰。

静安区警察は経緯について、「虎牙の動画ストリーミング配信で、@莉哥OvOという人物が国歌の尊厳を傷つけたとして、多くのネットユーザーが憤慨したとの通報があった」「調査した結果、問題を起こしたのは楊某莉(女性、20歳)で、住居内で動画配信した際に『中華人民共和国国歌法』の関連規定に対する違反があった」と説明した。

「楊某莉」とは女性の本名である「楊凱莉」の一部を伏せた表現。中国の警察は、それほど深刻な犯罪ではない場合、検挙者の氏名を一部伏せて発表することが多い。

現在も確認できる動画では、女性が中国国歌の「義勇軍行進曲」の冒頭部分を、腕を振りながら伴奏部分を含めて口ずさむ。その後は「ハロー、同志たち」などと視聴者に呼びかけている。警察側は、同法が定める「国家を歌う時には、場内の人はかしこまって起立し、挙止を荘重にする。国歌を尊重しない行為をしてはならない」(第7条)などに違反したと解釈したと考えられる。

静安区警察は同件について、「国歌は国のシンボルであり標識である。あらゆる公民と組織は国歌を尊重し、国歌の尊厳を維持すべきだ。インターネットの動画配信空間も法外の地ではない。同様に法律を守り道徳を遵守せねばならない。最低限の法律に挑戦し、公序良俗に違反する行為に対し、警察は法にもとづき断固たる打撃を与え、インターネット環境を着実に浄化する」と表明した。

楊さんは、莉哥(リーガー)の呼称で知られるネットアイドル/インフルエンサー。莉哥さんは短編動画共有アプリ「TikTok」では4400万人ものフォロワーを持ち虎牙でも200万人のフォロワーを持つ、影響力がかなり大きな存在だ。

中国ではネット上のインフルエンサーが商品販促に協力して巨額の収入を得ることも珍しくない。その関係もあり、インフルエンサーやインフルエンサ―になりたいと望む人などが注目度を高めるために行った動画が社会的問題にはる事態が発生している。16年ごろから17年にかけては当局が、猥褻(わいせつ)な内容の動画の取り締まりを繰り返し、ストリーミングサイト側にも問題ある動画を排除することを義務付けた。

警察が楊さんに科した行政拘留は、身柄の拘束は最長で15日間で、多くの場合には10日以内。楊さんは「中程度の処罰」の対象になったと考えてよい。実名では発表しなかったことからも、ネットの声は無視できず警察としての威信を保つために「実刑」を科したが、一方では「厳しすぎる」との批判は避けようとする判断も働いたと考えられる。(翻訳・編集/如月隼人

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