2012年10月2日、FAO（国連食糧農業機関＝以下同）は中国・北京市の人民大会堂で、温家宝首相に「アグリコーラ・メダル」を授与した。これは食糧事情の改善や農業開発に貢献した人物に贈られる賞である。

【その他の写真】

同機関のダ・シルバ事務局長は授与式で「中国は世界のわずか9％の耕地と6％の淡水で、世界の21％におよぶ人口を支えている。しかしながら中国の食糧生産は過去9年間、安定した成長を維持しており、多品種の農産物で世界最大の生産量を上げている。これは中国人が誇るべき成果であるのみならず、世界の食糧安全保障への多大な貢献でもある」と述べた。

また「自国の食糧需要を満たし、極端な貧困を撲滅するための中国の努力には世界的に重要な意義がある」と指摘。中国政府が「三農」（農業の振興、農村の経済成長、農民の所得増と負担減）を最重要課題と位置づけたことを高く評価した。さらに、「中国が改革と革新によって、より素晴らしい未来を築くことを信じている」と述べた。

温首相は答辞で「FAOから表彰を受けたことは、私にとっての栄誉であるのみならず、それ以上に、中国の農業・農村発展の成果を国際社会が十分に認め、大いに称賛していることを示すものだ。中国の食糧生産は9年連続増産で、今年の生産量は9年前の2003年と比較して約1億5000万トン増えている。これが中国経済・社会の発展と国民の生活改善を力強く支えたのみならず、世界の食糧安全保障への重大な貢献にもなった。農業が急速に発展する中、農村の生活も著しく改善された」と述べた。

さらに「農村を国民経済の筆頭に位置づける正しい思想を堅持し、中国の改革事業の先駆けとなった農村改革、そして『工業が農業を促進し、都市が農村を先導する』との方針を実行したこと、さらに農民の権益と訴求を尊重して農民の積極性を十分に引き出したこと」と、その功績の背景について述べた。（提供/人民網日本語版・編集/内山）