中国・海南航空「経営危機」報道―18年前半に借入2000億円超・返済4000億円超・債務不履行も多発

Record China    2018年10月9日(火) 9時40分

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中国メディアの新浪網は8日、海南航空を中核とする海航集団の経営が危機的状況とする記事を発表した。

中国メディアの新浪網は8日、海南航空を中核とする海航集団の経営が危機的状況とする記事を発表した。原因は、一時期にあまりにも急速に企業買収などの投資を進めたことで、2018年上半期(1―6月)の新規借入は約131億元(約2144億円)、返済額は約247億元(約4043億円)で、債務不履行も多発し、資産の多くを差し押さえられたという。

新規借入の約131億元を大きく上回る247億元を返済したことなどで、集団の営業キャッシュは前年同期比48%減の27億元(約442億円)にまで圧縮した。グループ内の海航投資は、積極的な投資を繰り返してきたが、18年上半期にはアズールブラジル航空を売却するなど、現在は資金調達に全力を上げている。もちろん多くの投資が「失敗」という結果になった。

9月になっても、持株会社の海航控股が北京海南航空大廈を13億元で不動産デベロッパーの万科企業に売却するなどの動きが続いている。

また、債務不履行も相次いだため、集団傘下で中国国内のA株上場している渤海金控、海航科技などの株権の多くが差し押さえられたとされる。

海航集団は18年上半期に、土地、不動産物件、企業など資産1100億元(約1兆8000億円)分を売却した。しかし、優良な資産はすでに売りつくしたので、今後は資産売却による資金調達はこれまでほど簡単ではないという。

記事は、「自らの血が足りなければ、外部から輸血するしかない」と説明。つまり海航集団は銀行からの融資、債券の発行、信託、B2Cなどによる資金調達を必要するが、債務不履行が相次いだため困難になっていると分析。銀行融資は特に「銀行とは裕福な相手には貸したがるが、相手が資金欠乏したとたんに取り立てにかかる」として、困難な状況になったと分析。さらに、資金調達できたとしても、将来には再び利息という重荷が乗しかかると指摘した。

記事は最後の部分で「海航集団の今後が、危険ではないとどうして言えようか」と主張した。

海航集団の正式名称は海航集団有限公司で、全身の海南航空控股有限公司は1998年に設立された。海南省財政税庁が16%を出資するなど、「省政府の肝入り」で発足した企業であり、現在でも「背後には省政府」の性格が強いとされる。

2000年ごろは中国中央政府が、地方ごとに多数存在した航空会社を、中国国際航空中国東方航空中国南方航空の三大航空会社の系列に統合する動きを強めていたが、海南航空は独自路線を歩んだ。中国で唯一、島嶼部(とうしょぶ)だけで構成される海南省当局が、独自性を主張して海南航空を支援したとの見方がある。

海航集団は、2015年ごろから、前記のアズールブラジル航空など、海外企業を含めた企業買収や株式取得を急速に進めた。しかし17年末からは一転して、売却の動きが加速した。

2018年7月には創始者のひとりだった王健(ワン・ジエン)董事長(会長)が出張先のフランスで急死した。南仏プロバンス地方のボニュー村で記念撮影をしている際に、誤って高さ10メートルほどの壁から転落したと発表されたが、「不審な点がある」との声も出た。(翻訳・編集/如月隼人

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