ダイエット用コーヒーで脳卒中や死亡の可能性も=表示成分はゼロで危険成分を含有、すでに健康被害の訴えも―中国

Record China    2018年10月3日(水) 0時0分

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ダイエット効果を称して販売されていたコーヒーに、使用禁止の危険成分が含まれていたことが分かった。飲用しつづけると死に至る可能性もあるという。画像はインターネットに残っていた同商品の販売用写真。「1カ月で4~10キログラムの減量」などと書かれている。

中国中央電視台は9月30日、ダイエット効果を称して販売されていたコーヒーに、表示されていた成分が全く含まれておらず、代わりに使用が禁止されている危険な成分が含まれていたと報じた。飲用しつづけると脳卒中などを起こし死に至る可能性もあるという。

■ 表示の有効成分含まず、代わりに危険成分

同商品は、インターネット通販の人気商品だったという。中央電視台は、3日間にわたり飲用した女性の証言を紹介した。体重が減ることはなかったが、吐き気や意識がぼんやりするなどの症状が出現したという。同女性は「私は数回しか飲まなかったので軽い症状で住んだと思う。症状が重くなれば、拒食症と同様の状態になったと思う」と述べた。

江蘇省淮安市の食品薬品検験所(食品薬品検査所)が同商品を分析したところ、成分と表示しているL~カルチニンは全く含まれておらず、代わりにシブトラミン塩酸塩が検出された。

L~カルチニンはビタミンに似た働きを示す物質で、ヒトの体内で脂肪燃焼を促進することが確認されており、「ダイエット」効果を期待して同物質を含む商品を利用する人もいる。シブトラミン塩酸塩には食欲抑制作用がある。以前には肥満症の治療薬としてよく使われたが、高血圧や肺高血圧、心拍数上昇などの副作用があるため、多くの国で使用が禁止された。副作用により脳卒中を起こしたり、最悪の場合には死亡に結びつくこともあるという。

中国でも2010年に製薬原料としてのシブトラミン塩酸塩の製造と販売、使用が禁止された。もちろん食品への添加も認められていない。

■ 依存性を生じさせる成分も含有

同商品はフェノールフタレインも含有していたことが分かった。淮安市の食品薬品検験所の周天紅副所長はフェノールフタレインの人体に対する影響を「アレルギー反応を起こす場合もある。女性の場合には月経不順を起こす場合もある」と説明。周副所長はさらに「長期に渡り摂取した場合、依存症が発生する」と説明した。

なお、フェノールフタレインはヒトに対する発がん性があり、生殖細胞の変異を起こすことも確認されている。

■ 実在するメーカーの商品を装って販売

淮安市食品薬品検験所からの通報を受け、警察が捜査を開始した。商品には広東省広州市内にある健康食品メーカー名や住所が表示されていた。警察が調べたところ、該当する企業は実在していたが、問題の商品は生産していないことが分かった。警察は、同メーカーの商品に見せかけて、別の業者が違法に生産したものと判断した。

警察によると、ネット通販の記録を調べたところ、販売開始は約1年前。ある夫婦名義で出品された商品で、購入した人は約1万人、取引総額は100万元(約1660万円)近くに上っていた。

1缶あたりの原価は18元(約298円)程度で、販売価格は69元以上だった。実際には「販促キャンペーン」を実施していた関係で、出品者は50万元(約828万円)前後の利益を得たと見られるという。

■ 各地警察が「トン単位」で押収

警察はすでに、同商品をネット通販に出品した夫婦の身柄を拘束し、取り調べを開始した。夫婦は出品の事実を認めたが「私たちだけではない。数百人がやっている」と供述したという。

警察はその後、缶に詰める前の「ダイエット用コーヒー」を扱っていた人物を次々に検挙した。河南省鄭州市では、家畜用飼料の袋につめられていた「コーヒー」2トンが押収された。淮安市警察も袋入りの「コーヒー」6トンを押収したという。

記事は、中国では2017年時点で、「肥満」と判断される人の率が12%に達するなどで、ダイエット用品への注目が高まり、市場規模が急拡大していることが、問題あるダイエット食品の横行に結びついていると分析。個別の通販サイトでも、2017年上半期に「ダイエット」で検索した人が延べ6億人を突破した事例もあるという。(翻訳・編集/如月隼人

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