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鳥肌と聞くと、「もともとは白くツルツルした皮膚だが、その表面にだんだんと小さなブツブツが現れ、そのブツブツはとても密集して、かつ整然と並び、一面に広がっている」といった様子を思い浮かべるに違いない。資料写真。
鳥肌と聞くと、「もともとは白くツルツルした皮膚だが、その表面にだんだんと小さなブツブツが現れ、そのブツブツはとても密集して、かつ整然と並び、一面に広がっている」といった様子を思い浮かべるに違いない。そして鳥肌を見たり、触ったりしただけでも、あまり気分の良いものとは言えない。科普中国網が伝えた。
鳥肌が立つのは、我々の古代からのDNAが原因で、この現象は、一般的に、寒い時や危険が迫った時、恐怖を感じた時などに起こる。そして、これらのきっかけはいずれも、生存にとって有利な状態であるとは言えない。
ところが、人類の進化にともない、大きな感情の波が起こった時にも、自分の意志に関わらず鳥肌が立つようになった。英オックスフォード大学のRobin Murphy氏と米ハーバード大学のMatthew Sachs氏の共同研究から、鳥肌は、身体的な健康状態を反映するだけではなく、心理的な健康にもプラスに作用し、感情的に高ぶった時に、ポジティブな心理状態を維持するのを可能にすることが判明した。
研究チームは、2018年8月に開催されたある音楽コンサートで観衆100人の鳥肌が立つ状況について研究し、ウェアブル設備で、実験参加者のコンサート前後における細かなモニタリング・調査を実施したところ、その結果は実に興味深いものだった。
〇コンサート会場で多くの人に鳥肌現象
研究チームは、コンサート会場で鳥肌が立った人の割合が半分以上(55%)だったことを突き止めた。また、これまでの研究から、コンサート自体が鳥肌が立つ最も大きなきっかけのひとつであることが分かっている。だが、コンサートで多くの人に鳥肌が立つ原因は、一体何なのだろうか?
研究チームは、感情が生理作用に及ぼす影響について、次の通り説明している。
音楽は、感情の変化を引き起こすことができる。この根源には、動物の危険な状況に対する恐怖心がある。このような恐怖心は、体内でアドレナリンの分泌を増やし、アドレナリンは皮膚にある立毛筋の収縮を促し、一つ一つの毛穴が塞がれて皮膚が盛り上がり、鳥肌が立つ。人類は、動物よりも感情が豊かであるため、恐怖だけでなく、大いなる喜びを感じた場合にもアドレナリン分泌量が急増し、同じような反応が起きる。
音楽は、私たちの感情を突き動かす非常に優れたツールであり、かつては恐怖や寒さを感じた時に立った鳥肌だったが、人類に関していえば、感情の変化を表現する生理的反応にもなった。
〇鳥肌には各人の個性が現れる
研究チームは、コンサート会場で鳥肌が立つ人とそうでない人の間に、どのような違いがあるのかについて研究を進めた。一連のアンケート調査から、鳥肌が立つ人のうち、自分が「他人の気持ちを理解でき」、「喜んで他人の手助けをする」タイプだと認識している人の割合が80%に達した。一方、鳥肌が立たない人では、この割合は63%にとどまった。このことから、他人の気持ちが良く分かる人は、周囲の人々との間に共感が生じやすく、自分の中にかなり強烈な感情が起こる可能性が高いことが明らかになった。
〇鳥肌が立つ人は、よりクリエイティブでより健康的
また、研究チームは、調査対象者の趣味・生活面での調査も行った。その結果、鳥肌が立つ人は、アート作品の創作に対する興味がより高く、たとえば、料理や絵画、執筆などの面における芸術性がより高いことが判明した。このほか、彼らは往々にして、より健康的なライフスタイルを身に着けており、感情的に安定しており、周囲の人にプラス影響を及ぼしていた。
研究チームは、「コンサートのように、人々が楽しくなる場所で、鳥肌が立つ人は、より良い感情を持つことができる。また、公演終了後もかなり長時間、このような楽しい気分を維持することができる。また普段から楽観的でポジティブな態度で事にあたることが可能で、こうした態度は、健康に対しても非常に有益に作用する」という推論を示している。
〇女性は男性より鳥肌が立ちやすい
女性はこれまで常に男性に比べ感情的な生き物だと思われてきた。そして、今回の実験を通じて、鳥肌が立つという生理的反応の面からも、この理論が裏づけられた。研究によると、女性の55%に「鳥肌が立つ」という反応が出た一方で、男性で同様の反応が出たのは46%にとどまった。
「鳥肌が立つ」は、本来、動物が危険な状態に見舞われた時、毛を逆立てて、自分を大きく強く見せることで、敵を撃退するという行為だった。人類が進化を経て今に至り、体毛の多くは退化してしまい、立毛筋によって立つのは産毛だけとなり、膨張作用はごくわずかなものとなった。だが、別の観点から見ると、この原始的な行動能力には、進化とともに、新たな意味が付け加えられたともいえる。(提供/人民網日本語版・編集KM)
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