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インデックス開発大手英FTSEラッセルはこのほど、中国上場の人民元建て株式(A株)をグローバル株価指数シリーズに盛り込み、「Secondary Emerging(2次的新興)」市場に分類されると発表した。
インデックス開発大手英FTSEラッセルはこのほど、中国上場の人民元建て株式(A株)をグローバル株価指数シリーズに盛り込み、「Secondary Emerging(2次的新興)」市場に分類されると発表した。「FTSE China A Stock Connect All Cap Index」に盛り込まれた銘柄は時価総額の25%を投資できるようになる。新華社が報じた。
世界最大の指数サービス企業MSCIに続いて、第2位のFTSEラッセルも旗艦指数に組み入れることになり、中国の資本市場開放の新たな成果となった。
FTSEラッセルのマーク・メークピース最高経営責任者(CEO)は、「中国のA株が新興市場指数に盛り込まれるようになるということは、中国の資本市場がここ数十年、その地位を向上させてきたことのほか、中国の株式市場が進歩していることを示している」と評価している。
近年、中国の資本市場の積極的な変化が外資の注目の的となっている。
例えば、投資家の構造の変化だ。基金管理会社・華安基金の指数・クオンツ投資部の許之彦・経理は、「過去3年、中国の資本市場の機構投資家の割合は数ポイント上昇した。今後も加速して上昇する見込みで、現在、中国の資本市場は薄いから厚い、浅いから深い、個人から機構への変化を経験している」との見方を示す。
適格国外機関投資家(QFII)、適格国内機関投資家(QDII)、人民元適格海外機関投資家(RQFII)の投資認可額上限が段階的に引き上げられるにつれ、「滬港通」( 上海・香港・ストック・コネクト)や「深港通(深セン・香港ストック・コネクト)などの株式相互取引が実施されるようになり、中国の資本市場の開放拡大が続いている。そして、MSCIだけでなく、多くの国際機構の間で、中国の資本市場は人気となっている。
世界最大級の投資信託運用会社・米「バンガード」で中国エリアを統括する林暁東氏は、「世界2位のエコノミーである中国は、世界の投資において不可欠な部分。当社は2015年6月に、A株を、世界新興市場指数基金に盛り込んだ。今年8月の時点で、中国の資本市場で、1900社以上を配置し、その時価総額は約45億ドルに達している」と説明する。
南方東英基金管理有限公司の丁晨総裁は、「近年、外資は、QFII、RQFII、港股通などを利用するようになっており、外資総量が中国市場で占める割合がどんどん高くなっている」とし、中国の資本市場は、投資家の構造が一層多様化する時代にいつの間にか突入していると指摘する。
そして、「中国の資本市場は形成されてそれほど時間が経っておらず、長期投資、紀律を好む投資家が中国で投資を実施すれば、中国の資本市場が一層良い方向に向かって発展するよう促進する」との見方を示す。
その他、中国の資本市場の開放に継続的に関わっている企業も近年、その関わりを一層強化している。例えば、スイスユニオン銀行(UBS)は、中国で銀行、証券、資産管理の主要3業務を行っており、2年前には約500人だった従業員が今は1150人以上にまで増加している。
UBS証券の銭于軍・総経理は、「UBSは、中国の資本市場開放の益を最も早く受けた企業の一つ。MSCIの指数に盛り込まれたり、FTSEの指数に盛り込まれたりしているのは、中国の資本市場の開放度が高まっていることが原動力で、その開放度は今後も高まり続けるだろう」との見方を述べた。(編集KN)