竹島・尖閣諸島・北方領土、国際法廷で平和的解決を=ネックは国民感情―小和田・元国際司法裁判所長

Record China    2018年9月25日(火) 5時0分

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国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)判事を今年6月に退官した小和田恒氏(元外務事務次官・国連大使)が日本記者クラブで会見、竹島、尖閣諸島、北方領土などの「領有権問題」を巡り、国際司法裁判所など国際法廷での平和的解決も選択肢となるとの見解を示した。

2018年9月21日、国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)判事を今年6月に退官した小和田恒氏(元外務事務次官・国連大使)が日本記者クラブで会見、日本が関係する竹島尖閣諸島、北方領土などの「領有権問題」を巡り、国際司法裁判所など国際法廷での平和的解決も選択肢となるとの見解を示した。

小和田氏は「領土を巡る紛争は武力紛争に発展した場合、当事国の国民に悲惨な結果をもたらす。法に従って平和的に解決すべきである」と指摘。外交手段としては「国連憲章33条にあるように、国際紛争を平和的に解決し、武力を用いないという原則が基本だ。外交的にはその問題の性格、周囲の状況、相手国との関係などを考えて解決すべきだ」と強調した。

「日韓正常化(1965年)交渉の際、両国が領有権を主張する竹島の問題は常に両国間の懸案としてあって、どう解決するか、国際司法裁判所に付託することを日本側の方針として打ち出した」と振り返った。ところが韓国が受け入れなかったため、「紛争解決に関する交換公文という形で処理した」と述べた。ただこの交換公文には「竹島」という固有名詞が明記されていなかったため韓国側は協議に応じていないという。中国と係争中の尖閣諸島についても「日本の固有領土と主張すると同時に、武力紛争に波及しないよう、国際裁判に委ねることも選択肢となる」と提唱した。

小和田氏によると、マレーシアとシンガポールの間の島を巡って両国間で数十年争っていた紛争が国際司法裁判所の仲裁によって解決。その後両国の友好発展につながったという。安定的な国家関係を確保するために領土紛争を国際裁判に委ねる際、ネックとなるのは国民感情であると指摘。「関係国の政府と世論を導くジャーナリズムの役割が大きい」と呼び掛けた。

また、南シナ海を巡るフィリピンと中国との仲裁裁判(2016年)で、フィリピン側の主張をほぼ認めた審決が出た後、デュテルテ比大統領と習近平中国国家主席が会談し平和的解決の道を探ることになったことについて、「(自身が判事を務めた司法裁判所とは)別の(仲裁)裁判所の審決なので見解は差し控えたい」としながらも、「正義とか道義とかは別にして当事国政府や国家元首が合意に至れば周りの国がとやかく言うことはできない。しかし道徳的に正義かどうかの問題は残る」との見解を示した。

小和田氏は2003年に国際司法裁判所判事に就任。2009年に日本人として初めて所長に選出された。3年間の所長任期の後2012年から判事を務めた。皇太子妃の雅子さんは長女。(八牧浩行

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