海外の高速鉄道建設、日中は協力できるか―中国専門家

Record China    2018年9月19日(水) 7時50分

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18日、環球時報は、タイ運輸省が高速鉄道プロジェクトについて日中が協力することに期待を表明したことを受けて、中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究所の許利平研究員の論評を掲載した。資料写真。

2018年9月18日、環球時報は、タイのアーコム運輸相がバンコク首都圏の3空港を結ぶ高速鉄道プロジェクトについて日本と中国が協力して行うことに期待を表明したことに対し、中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究所の許利平(シュー・リーピン)研究員の論評を掲載した。

許研究員はタイ側が日中協力を提案した理由について三つの考えを示している。

まず挙げたのは、「バランスを考慮した結果」だということで、「近年、日中はタイで高速鉄道建設の激しい競争を繰り広げており、すでにそれぞれが同国で建設済みの高速鉄道についても紆余(うよ)曲折があった。今回、日中協力に関する提案は日中の利益の新たなバランスを追求し、さらにタイ側のより現実的な利益を追求したものである」との見方を示している 。

二つ目は、「タイ側によるリスク分散」で、同研究員は「今回の高速鉄道プロジェクトは、タイが推進している経済政策『タイランド4.0』の中で象徴となるプロジェクト、東部経済回廊(EEC)開発の一つであり、高速鉄道プロジェクトの投資額は5兆円、契約期間は50年と、間違いなく大プロジェクトとなっている。しかし、さまざまなリスクも存在しているため、タイ側は日中の企業が優位性を補い合い同プロジェクトのリスクを解決することを期待している」と見ている。

三つ目は、「日中とタイは経済貿易協力でそれぞれ独自の優位性を持っているが、どちらもタイの友好協力国である」ということ。同研究員は「現在、日本の投資はタイにおける外資総投資の約70%を占めており、中国は投資額こそ少ないものの、目下最大の貿易相手国となっているため、日中がタイの市場を開拓することは、まさに両国とタイの関係の特殊性に基づいている」との認識を示している。

また、許研究員は、「中日平和友好条約締結40周年の今年、5月に李克強(リー・カーチアン)首相が訪日し、両国の第三国における協力を強化について合意したことにより、タイの高速鉄道プロジェクトにも良好な雰囲気と政治的基盤をもたらした。また、日中タイがバンコクで東部経済回廊開発での協力に関する国際セミナーを共催するなど、3カ国の政府と企業の代表がすでに共同で協力の可能性を模索し始めている」と述べている。

許研究員はこの協力で「産業+技術+資本+市場」の新たな協力形態を模索し、これを東南アジア、アフリカなどの地域に広めることができるだろうと見ている。(翻訳・編集/南部)

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