日系高級百貨店が中国に進出、前途を不安視する声も―中国メディア

Record China    2012年9月9日(日) 13時13分

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5日、三越や高島屋などの老舗百貨店は来年、上海などで新店舗を設立する予定だ。写真は三越伊勢丹ホールディングスの台湾子会社・台湾新光三越と北京華聯の共同出資により北京に設立された高級デパート「新光天地」。

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2012年9月5日、人民網日本語版によると、イトーヨーカドー、イオンなどの大衆的な百貨店が中国市場で足場固めを行う中、新たな日系百貨店が中国市場に攻勢をかけようとしている。3日発表された情報によると、三越や高島屋などの老舗百貨店は来年、上海などで新店舗を設立する予定だ。日系百貨店の市場判断能力は誰もが認めるものだが、中国は今まさに、ショッピングモール時代に向け歩みを加速している。今回の日系百貨店による中国市場進出は、長い道のりを歩むことになるだろう。北京商報が伝えた。

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◆日系老舗百貨店の進出

日本政策投資銀行はこのほど発表したビジネス戦略調査報告書の中で、中国が日系百貨店の主な投資先となると指摘した。三越や高島屋などの老舗百貨店は来年、上海などで新店舗を設立する予定だ。

三越と高島屋は、日本国内では高級百貨店として知られる。三越伊勢丹ホールディングスは日本最大の百貨店チェーンを経営するグループだ。10数年間の日本勤務歴を持つ、某日系百貨店の関係者は、「三越と高島屋は日本では典型的な『質を重視する』百貨店で、土地選定や店内のデザインに秀でている」と指摘した。

◆本土市場が飽和化

上述した報告書は、「日本の百貨店業界は各種専門店の台頭や30−50代の衣料品支出の減少を受けて収益が低迷している。海外進出が重要な突破口となる」とまとめた。三越や高島屋など、本土での発展に取り組んできた企業も、隣国に店舗を開設している。北京市の高級デパート「新光天地」は、三越伊勢丹ホールディングスの台湾子会社・台湾新光三越と北京華聯の共同出資により設立された。新光三越の蘇州店も、計画通りであれば来年に開業する予定だ。

本土市場での経営が疲弊する状況下、日本の商業施設の価格も低下している。キャピタモールズ・アジアは先ごろ、東京の大型ショッピングモールのオリナスモールを買収した。賃貸可能な面積に基づき計算すると、同ショッピングセンターの買収価格は1平方メートル当たりわずか4万3300元(約52万円)となる。ある台湾系百貨店の関係者は、「日本本土の小売業が疲弊しており、海外企業にとって現在の買収価格はリーズナブルだ」と語った。

◆中国進出のタイミング

日系高級百貨店は、本土市場の経営難により海外進出を迫られているが、中国進出のタイミングは大衆的な百貨店が進出したころに及ばない。ある業界関係者は、「日本はビジネスが高度に成熟した地区であり、過去20年間にわたり、きめ細かいサービスと差別化を行ってきた。しかし現在の中国市場では、イオンモールやイトーヨーカドーのような大型ショッピングモールの人気が高い」と指摘した。

王府井百貨や銀泰百貨など、中国の大手百貨店はショッピングモールを主力としている。日系高級百貨店はブランド、チャネル、店内レイアウトなどを得意とするが、中国は現在ショッピングモールの時代を迎えている。日系高級百貨店の進出には課題も少なくない。

タイミングの問題の他に、ある日系百貨店の関係者は、「日系高級百貨店が中国進出後に直面する最大の問題は、その市場における定位置が見つからないことだ。日本の経営者は日本の管理経験をそのまま中国に移植したがるが、両国の環境は異なっている。日本の経営者は適度に手を緩め、中国市場を理解している現地人に店舗の経営管理を任せるべきだ」と指摘した。

さまざまな課題があるが、日系百貨店の市場判断能力はその発展を力強く支える可能性がある。イオンが北安河に店舗を開設した時も、これを疑問視する声が多く聞かれた。しかし周辺の団地が成熟するに伴い、同店舗は日系ショッピングモールの代表格となった。(編集/TF)

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