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「不動産」を首な財産とし、その取得を目標としている90後(1990年代生まれ)の割合は62%で、他の年齢層「80後(1980年代生まれ)」、「70後(1970年代生まれ)」、「60後(1960年代生まれ)」の割合を大きく上回った。
香港上海銀行(HSBC)が最近発表した調査報告によると、「不動産」を首な財産とし、その取得を目標としている90後(1990年代生まれ)の割合は62%で、他の年齢層「80後(1980年代生まれ)」、「70後(1970年代生まれ)」、「60後(1960年代生まれ)」の割合を大きく上回った。また、親が子供に残したい主な財産も依然として「不動産」だった。しかし、子供が期待している「財産」は、「仲の良い家族」、「健康」、「家族の平和・健康」など、精神的な財産だった。中国青年報が報じた。
HSBCの調査は、北京、上海、広州、深センなどの主要14都市における、個人の流動資産が50万元(約810万円)以上のマス・アフルーエント約4600人を対象に行われた。年齢層は60後、70後、80後、90後で、マス・アフルーエントの財産に対する見方がさまざまな角度から反映される調査となった。
調査によると、社会、経済が発展し、生活観念が変化するにつれ、中国人の財産に対する見方も少しずつ変化している。例えば、健康や夢の追求、家庭の幸福、満足することで幸福を感じることなど、非物質的要素も、財産の新たな定義に含まれるようになっている。多くの人が精神的な面で幸福を得ることを「財産」として捉えるようになっている。
その他、「ジェネレーションギャップ」は社会的現象であるだけでなく、財産に対する見方にもそれが存在していることが分かった。特に90後には、独特の時代的特徴が見られる。財産をめぐっても、親が残したいと思っている財産と、子供が受け継ぎたいと思っている財産には明らかな差がある。自分で収入を確保して不必要な支出を減らすことを教えて、「すねをかじる」若者の増加という問題を解決する必要性を明らかにしているほか、富裕層は人工知能(AI)を活用したフィンテックに対して強い関心を持っていることも分かった。
調査によると、一人っ子であることが多い90後は、複数の不動産を相続できるため、経済的には全く悩みがないというのが、中国社会の同世代に対する普遍的な見方となっていることが分かった。しかし、調査では、多くの90後は依然として不動産を手に入れることを目標としており、目標としてそれを選んだ割合は62%と、他の年齢層(80後、70後、60後はいずれも約50%)を明らかに上回った。一方の80後、70後、60後は、健康を基本として、他の物質や家族の財産を追い求めることを重視していた。
また、80後、70後、60後と比べると、90後の財産の追求は多元化し、精神的な分野の追求も多種多様で、「仲の良い家族」(50%)、「自分の夢実現」(46%)、「向上心」(40%)、「人脈/友人の輪」(36%)などの要素の必要性も他の年齢層よりも強く感じていた。
年齢層別の比較のほか、調査では「親」と「子」という立場に分け、どんな財産を残したい、または受け継ぎたいと思っているかを分析した。すると、親が子供に残したいと思っている財産と子供が受け継ぎたいと思っている財産には明らかな差があることが分かった。具体的には、親が子供に残したい主な財産は依然として「不動産」だったのに対して、子供が親から受け継ぎたいと思っている「財産」トップ3は、「仲の良い家族」、「健康」、「家族の平和・健康」など、精神的な財産ばかりだった。
このように、物質的には比較的満たされている環境で育った若者は心理的、精神的需要を重視していることが分かる。中でも、家庭を中心とする幸福感が非常に重要視されている。このような結果は、社会が若者に対する固定観念を取り除くうえで、一定の参考材料となるだろう。
90後は仕事でも能力を発揮して成果を上げ始める年齢になっているが、経済的には依然として完全には自立できていないようだ。調査によると、働き始めた後も依然として親に「お小遣い」をもらっている90後の割合は6割に達した。理性的な消費観念を身に付けるよう子供をどのようにサポートするかが重要で、財産管理に関する教育のうち、自身の収入を確保し、不必要な支出をいかに減らすかということを教えることが不可欠になっている。そして、子供ができるだけ小さい時からそのような教育を与えることが必要となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年9月14日